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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Monday, August 31, 2015

イスラム教徒の食事に豚肉が混入(東京入管横浜支局)


  いくつかマスコミ報道がなされていますが、東京入管横浜支局で8月12日、イスラム教徒であるCさん(パキスタン国籍)に、豚肉(ベーコン)の入った食事が出され、以降、Cさんは19日間にわたり入管の給食を拒否しています。

  この事件について、8月27日(木)に仮放免者の会として横浜支局にて申し入れをおこない、以下の申入書を提出しました(申入書原文では記載していた被収容者名を、「Cさん」として公開します)。


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申  入  書
2015.8.27.
法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿
東京入国管理局横浜支局長  殿

関東仮放免者の会(PRAJ)神奈川
被収容者の抗議の拒食について
  8月26日現在、貴支局Bブロックに収容中のパキスタン国籍Cさんが、給食に豚肉が入っていたことをきっかけとして、2週間拒食を続けています。わたしたちが本人およびその家族、また同室の被収容者に聴き取りを行ったところでは、イスラム教徒であるCさんの給食は、豚肉抜きのものが別に提供されているはずでしたが、8月12日の夕食の際、Cさんは、豚肉を気が付かずに食べてしまいました[赤字部分につき、訂正あり。下に付けた文章を参照してください]。違和感を感じたため他の被収容者の食事を確認したところ、まったく同じものが入っていたので、Cさんが職員を呼んで確認してもらったところ、職員も豚肉が入っていることを認めました。Cさんはショックを受け、これまでも豚肉を知らないまま食べさせられてきたのではないか、という怒りもあり、抗議の意味をこめて、その後貴局から提供される給食を食べることを一切拒否しています。その結果、体重は、8月12日以前には67.1kgだったものが、8月21日には57kgと、10キロも減っています。わたしたちは、Cさんの健康状態の悪化を憂慮しています。
  ところが、Cさんのこの行動を知りながら、貴局が、ほとんど何もせずこれを放置し続けたことは、大きな問題であると私たちは考えます。私たちがCさんの拒食を知ったのは8月17日でしたが、8月19日に拒食開始後初めて面会した際、Cさんは、「一週間たつが、偉い人は一回も来ていない。すぐに偉い人に謝罪されていたら止めていた。もう一週間たつ。今から謝罪されてももう遅い」と言っていました。また、同じ時期、貴局の職員はCさんの妻に「本人が勝手に食べていないだけ」というようなことを言い、妻も大きなショックを受けています。必死の思いでの行動がほとんど無視されたことに対して、本人が強い憤りを持つことは、十分に理解できます。8月21日には、職員による何らかの謝罪があったということですが、これはあまりに遅すぎる対応であり、Cさんは、その後も抗議の拒食を続けています。
  こうした経緯を踏まえると、貴局が、今回起こった出来事の重大さを認識していないのではないかと思わざるを得ません。豚肉を食べる、というイスラム教徒にとって重要な宗教的な禁忌を犯させ、しかもそのことを軽視する、というのは、法務省令である「被収容者処遇規則」第二条(入国者収容所長及び地方入国管理局長(以下「所長等」という。)は、収容所等の保安上支障がない範囲内において、被収容者がその属する国の風俗習慣によつて行う生活様式を尊重しなければならない)の違反であるだけでなく、イスラム教徒であるCさんにとって大変な屈辱であり、重大な人権侵害です。2000年、インドネシアで、「味の素」の原料に豚肉が使用されている疑いがあるという噂が流れ、この問題はインドネシアで大きな社会問題となりました。こうした事例を上げるまでもなく、今回のことが重大な問題であるということは、容易にわかるはずです。Cさんによると、今回の給食に入っていた豚肉は、生まれて初めて食べてしまった豚肉です。そのショックの大きさは想像できるのではないでしょうか?
 また同時に、今回Cさんは、自分だけの尊厳がないがしろにされたことだけに怒っているのではありません。彼は他の被収容者の仲間のことを考え、収容所の劣悪な状況を改善するために行動してきました。Cさんもサインしている、8月5日に提出された(いまだに貴局からの返答すらない)要求書の中では、食事の劣悪さと、その改善が訴えられています。Cさんによると、彼が収容されてから、給食に髪の毛が入っていたことが5回もあったということです。そして、Cさんの夕食に豚肉が入っていた8月12日の昼食にも髪の毛が入っており、Cさんは昼食も食べていません。髪の毛が何度も混入するというようなありえない状況が放置され、何度訴えても改善されなかったこと、そうしたことも、Cさんの怒りの背景にはあります。
  Cさんは「いつもの入管職員の人たちは悪くない、謝ってくれたし私の体を心配してくれている」と普段接している担当職員たちをかばう発言も何度もしています。「他の収容者が、自分だけ食べるのが心苦しい、と言ってくれるので、この問題はイスラム教徒の自分だけの問題でみんなに迷惑を掛けたくないので、一人部屋に移してくれるように頼んだ」とも言っています。こうしたCさんの考え方の倫理性には心打たれます。私たちは、貴局に対し、以下を申し入れます。
(1) まずはCさんの健康に対して十分に留意し、そして、Cさんに対して改めて真摯に対応し、適切な対処を行うこと
(2) 食事の問題を含めて、8月12日付で私たちが申し入れた内容について速やかに対応すること。
(3) Cさんが、今回のこと、妻への入管のひどい対応のことなどを被収容者申出書に書いて提出しようとしたが、コピーをとらせないと言われ、出すのをやめて手元においている。Cさんに速やかにコピーをとらせること。
以上


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  上の申入書で「Cさんは、豚肉を気が付かずに食べてしまいました」と述べましたが、事実は、Cさんがベーコンを口に入れたものの味に疑問を感じたため吐き出し、職員を呼んで確認したところ、職員が豚肉の混入した食事を出してしまったことを認めた、とのことです。しかし、以前にも横浜支局で同種のサラダが出ていたため、Cさんはそのたびに自分が豚肉を食べてしまっていたと認識しており、このことに大きなショックを受けているということです。以上、訂正いたします。

  さて、イスラム教徒の食事に宗教的な禁忌である豚肉を混入させ、これに気づかなかったという過失も重大ですが、横浜支局の事後対応もきわめて問題のあるものです。

  Cさんに豚肉入りの食事が出されたのが、8月12日(水)。横浜支局からCさんにようやく謝罪があったのが、10日近くも経過した21日(金)。この間、Cさんが摂食を拒否して抗議をつづけていたにもかかわらずです。

  豚肉を食べることがイスラム教徒にとってきわめて重要な宗教的な禁忌であることは、一般的によく知られていることでもあります。日々入管業務にたずさわりそのための研修も受けてきたはずの者ならばなおのこと、この重要性を認識していないとは、およそ考えられません。申入書で述べたように、ことの重要さは「容易にわかるはず」のことがらなのです。したがって、今回の横浜支局の対応の遅さ・ずさんさの背景には、イスラム教徒の慣習・文化に対する無理解・認識不足というよりも、組織としての横浜支局の差別的体質があるのではないかと考えざるをえません。退去強制の対象となっている外国人が相手ならば、どんなあつかいをしてもかまわない、という差別的な人権軽視の発想が根深くあるものと考えないかぎり、このずさんな対応は理解しがたいものです。

  横浜支局の事後対応のありようからは、その組織的な隠蔽体質もかいまみえます。今回の問題が明るみにでたのは、Cさんが自身の被害事実を私たちをつうじて報道機関につたえたことによるものです。横浜支局は事件から15日も経過した8月27日、報道各社からの取材を受けてようやく事件を公表した、というのが事件の報道にいたる経緯です。

  宗教的禁忌にふれる食事を出していたという問題の重大性をかんがみるならば、Cさん本人にすみやかに謝罪と説明をおこなうことはもとより、入管みずから事実経過を一般に公表したうえで、再発防止への取り組みを約束すべきであったはずです。入管には、イスラム教をふくめ食にかんする禁忌のある宗教を信仰する多数のひとびとが収容されているのであって、今回の問題は横浜支局にとどまらず、全国の入管の収容施設全体についてその給食の信頼性をゆるがす事件だからです。

  横浜支局は、原因究明をふまえた再発防止策をすみやかにCさんにつたえるとともに、その内容を公的にもあきらかにすべきです。Cさんの食事への豚肉の混入が、今回の件にかぎったことなのか、さかのぼって可能なかぎり調査し、その結果をCさん本人に誠意をもって説明することも必要です。

  Cさんは、8月30日現在も、入管の食事を拒否しています。25日か26日ごろに横浜支局はCさんを外部の病院に連れていき、以来、Cさんは医師の指示で出された栄養剤を飲んでいるものの、拒食をはじめた12日から20日になろうとしており、その健康状態が心配されます。横浜支局は、Cさんが摂食を再開できるよう、本人とご家族に誠意をもった説明をおこないすみやかに信用回復につとめるべきです。

  横浜支局については、申入書でもふれているとおり、被収容者が食事もふくめて処遇改善をもとめた要求書を連名で出しており、また、職員が被収容者の私物を勝手に破損するという事件も起きています。




こちらの記事も、あわせて参照してください。

Wednesday, August 26, 2015

東京入管横浜支局職員が被収容者の私物を損壊/被収容者による処遇改善の要求


  8月12日(水曜日)、東京入国管理局横浜支局にて申入れをおこないました。

  横浜入管では、7月上旬に、職員(入国警備官)が被収容者Aさんの私物を故意に損壊する事件がありました。また、8月5日には、被収容者から処遇の改善を要求する連名の要求書が出ています。

  これらを受け、仮放免者の会としても横浜支局にて、処遇の改善(開放処遇の時間延長、被収容者間の情報交換に対する不当な制限をやめること、医療・食事の改善)と、Aさんへの謝罪をもとめる申し入れをおこないました(申入書は、この記事の最後に掲載しています)。


◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  被収容者による要求書は、横浜支局のBブロックに収容されているうちのほぼ全員にあたる18名の連名で提出されています。かれらは、これまでも処遇について各人それぞれに意見をのべたり改善をもとめてきたりしてきたものの、いっこうに聞き入れられず、検討すらされないため、集団での要求書提出にいたったとのことです。

  要求書の原文(日本語ローマ字表記)と、これを漢字かなまじり表記にしたものを、以下に掲載します。


【原文】
YOKOHAMA IMMIGRATION NI NEGAI KOTO.
2015-8-5
1. YASUMI NO HI NO FREE TIME ASA 9:30AM KARA 11:30AM MADE TO 13:30
KARA 16:30PM MADE NEGAI MASU. YASUMI NO HI ZUTO HEA NAKA DE TSUTERESU
THAMARU TO IRONA SHITO URUSAI SHIMASU. ATO MINA SHOWER SURU JIKAN
DENWA SURU JIKAN TOBACCO SU JIKAN SENTAKU MONO SURU JIKAN TSUKU
NAKUTE, TAIHEN DESU.
2. MINA JA NAKUTE NAN NI GA SHITO FRIDAY TV NO JIKAN YORO 11:00PM MADE
NEGAI-O-SHI MASU NO DE NANNKA MOSHIROI BANGMI GA ARU NO DE DEGIRU NARA
FRIDAY TV NO JIKAN YORO 11:00PM MADE NEGAI DESU.
3. ATO IRONA SHITO GOHAN NO KOTO OSHIKU NAI TE YUTE MASU NO DE, SONO
KOTO DE MO SOKOSHI KHANGAETE MURAITAI DESU. YOROSHIKU NEGAI SHI MASU.


【漢字かなまじり表記】
横浜イミグレーション〔入管〕に願いこと
2015年8月5日
1. 休みの日のフリータイム、朝9:30AMから11:30AMまでと、13:30から16:30PMまで願います。休みの日、ずっと部屋のなかでストレスたまると、色んな人うるさくします〔補足:叫んだり、壁を叩いたりしてしまうこと〕。あと、みなシャワーする時間、電話する時間、タバコすう時間、洗濯物する時間少なくて、大変です。
2. みなじゃなくて、何人かの人、フライデー〔金曜日〕TVの時間、夜11:00PMまで願いをしますので、なんか面白い番組があるので、できるなら、フライデーTVの時間、夜11:00PMまで願いです。
3. あと、色んな人、ごはんのこと、おいしくない、て言ってますので、そのことでも少し考えてもらいたいです。よろしく願いします。


  要求の内容は、きわめてもっともなことがらです。

  入管の収容場は、本来、収容されたひとに苦痛をあたえるための施設ではありません。懲罰のための施設でもありません。入管法にさだめられた退去強制事由にかかわる審査のための収容、あるいは、退去強制令書が発付されたもののただちに送還を執行できない場合に送還可能のときまでの収容がみとめられているにすぎません。

  したがって、長時間せまい居室にとじこめて、運動もシャワーもできない状態で被収容者にいちじるしい不自由と苦痛をあたえてよい正当な理由など入管にありません。また、金曜の夜に映画を放映しているテレビを、途中で消して最後までみられなくするという、まるでいやがせのような措置も、認められるものでありません。

  これらの処遇の問題は、人員をふくめた施設の不備と、これを不備なままに放置してきた入管の怠慢によるものです。収容場が苦痛や懲罰をあたえることを目的とした施設(拷問施設)でないというならば、ただちに改善が検討され着手されなければならないものであるはずです。食事についても同様です。被収容者当事者からの要求・クレームが現にでているのですから、横浜支局は、支局としてこれをどう改善していくつもりなのか、すぐに改善できない部分については、なぜすぐできないのかを、被収容者全体に対して回答する義務があります。横浜支局が要求書に真摯に回答することをもとめます。


◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  さて、職員が被収容者の私物を破損した事件についてです。

  これは、Aさんが居室に貼ったチラシを、横浜支局の職員がAさんのシャワー中に無断で壁からはがし、くしゃくしゃにして持ち去ったというものです。警告もなしにです。あとで述べるように、チラシの内容が他の被収容者にとって好ましくないものであったとも考えられず、これを勝手にはがすという職員の行為に正当な理由があるとは考えられません。かりに、チラシをはがすという行為に正当性がみとめられるのだとしても、これをくしゃくしゃにして破損する行為にどんな正当性があるというのでしょうか。

  法務省入国管理局は、「出入国管理のしおり」と題されたパンフレット(リンク先PDF)を出しています。その4ページ目に、つぎのような記述があります。

正当な目的をもって来日しようとする人がスムーズに入国し安心して生活できるようにするとともに,日本での滞在を認めてはならないような外国人から日本国民の生命・安全や産業・国民生活上の利益を守ることも,また入管の仕事です。

  なにやらえらそうに「外国人から日本国民の生命・安全や産業・国民生活上の利益を守る」などと書いていますが、入管は、「日本での滞在を認めてはならない」とみなした外国人に対してであれば、監禁して虐待をくわえたり、その私物を無断で処分したりしてもよいということなのでしょうか。それも「入管の仕事」だというのでしょうか。

  私たちがこの職員による私物の破損について知ったのは、Aさん本人のうったえによってです。本来ならば、これは重大な不祥事であって、入管みずからがこの事実を公表して、再発防止につとめるのが筋でしょう。ところが、Aさんに対して、いまだに横浜支局としての謝罪すらなされていません。

  入管は、政府機関ですし、法務省下の組織なのですから、もうすこし法を尊重するという意識をもったほうがよいのではないでしょうか。

  ちなみに、横浜支局の職員がくしゃくしゃにして持ち去ったのは、Aさんに私たちが差し入れした“「仮放免者に在留資格を!」 9.9法務省デモ”の告知ビラでした。こちらデモのほうも、ご参加・ご協力のほど、よろしくお願いします。




◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  最後に、仮放免者の会として提出した申入書の全文を掲載します(申入書に記載した被収容者の名前と国籍は、以下ではふせてあります)。

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申 入 書 
2015.8.12
法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿
東京入国管理局横浜支局長  殿
関東仮放免者の会(PRAJ)神奈川

1. フリータイムについて
  被収容者によると、横浜支局でのフリータイムは、平日は午前9:30-11:30と午後13:30-16:30ですが、土日は半分しかなく、土曜日は午前9:30-11:30のみ、日曜日は午後13:30-16:30のみです。この間の横浜支局での被収容者への聞き取りによると、フリータイムの短さ、特に土日のフリータイムが半日しかないことは、多くの被収容者に極めて大きなストレスとなっています。フリータイムについては、東京入国管理局、東日本入国管理センターでは、土日、祝日も午前午後と全日あります。被収容者たちは、他の収容施設と違ってなぜ横浜ではフリータイムが短いのか、と職員に再三問いかけていますが、これまでのところその理由は全く明らかにされていません。フリータイムの制限は、被収容者の行動の自由を著しく侵害するものです。横浜支局におけるフリータイム時間を延長すること、特に、土日のフリータイムについては、少なくとも他の収容施設と同様に、平日並みの午前・午後全日に変更することを、強く申し入れます。
2. 被収容者のブロック間情報交換の不当な制限について
  現在、横浜支局では、ブロック間で被収容者が手紙のやりとりをすることを禁じられていますが、これは通信の自由の侵害です。東京入国管理局、東日本入国管理センターでは被収容者がブロック間で自由に手紙のやりとりを行うことができます。横浜支局における、被収容者のブロック間情報交換の不当な制限をただちにやめるように申し入れます
3. 被収容者への医療の改善について
  被収容者からの聞き取りによると、現在の横浜支局での医師の定期診察は、短時間でかつ怠慢なものです。聴診器も持たず、顔を見ただけで決まりきった薬を出すだけ、といった診察では、被収容者への適切な医療が行われるとはとても思えません。被収容者への診察の改善と、病気の被収容者に対するすみやかな外部診療の許可、仮放免を行うように申し入れます。
4. 食事の改善、衛生管理の徹底について
  被収容者からは、「食事がまずい」「少ない」という多くの声が上がっています。また、髪の毛が入っていた、など、衛生管理に問題があることを疑わせる証言も聞いています。被収容者への食事の改善、衛生管理の徹底を申し入れます。
5. 被収容者の私物の職員による器物損壊について
  7月上旬、横浜Bブロックに収容中のD国籍Aさんが、チラシ(当会のデモのチラシ)を自室の壁に貼っていたところ、職員に断りなく剥がされ、くしゃくしゃにされて持ち去られるという事件が起こりました。その後チラシ自体は返却されたということですが、被収容者が掲示した物を、正当な理由なく、また事前の警告などなくいきなり剥がし、くしゃくしゃにする、というのはとんでもない行為です。剥がした職員によるAさんへの謝罪と、支局として、また入国管理局全体として、こうした人権侵害の再発を防止する取り組みを行うことを申し入れます。
以上
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【参考】

  横浜支局の職員が、おもわず壁からはがしてくしゃくしゃに丸めずにいられなかったのは、このチラシ(↓)です。


Friday, August 14, 2015

【転載】「憲法違反の難民申請者チャーター機送還を問う」10.3関西集会



大阪での集会の案内を転載します。


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【転載】

「憲法違反の難民申請者チャーター機送還を問う」
10.3関西集会

◇2014年12月18日、政府が特別に用意した航空便(チャーター便)による難民申請者の大量強制送還が強行されました。そのうち多くは、難民として認めないという入国管理局の最終処分が出た直後にバスに乗せられ羽田まで送られました。

<裁判を受ける権利>
たとえ、入国管理局の不認定処分が出ても、保護を求める人は6ヵ月以内に処分の鳥飯を求める裁判を起こすことができます。この裁判によって入国管理局の決定が覆ったケースもあります。
私たちの憲法は、行政機関の決定を司法の場で争う権利を保障しています。
(第三十二条  何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。)
しかし、自国での迫害への今日から難民として日本の保護を求める者が、日本の法律の届かない国外、しかも恐怖の根源である出身国に無理やり送り返されるとしたら‥
それはもう迫害者の手に難民申請者を委ねることに他なりません。
<送還された人々の今>
送還された人のなかには自宅に帰ることができた人もいます。
しかし帰ることができず、離れた親戚の許に身を寄せたり、隠れ暮らす人もいます。
公然と市民生活を送ることは難しく、何人もの人が他国への出国の道を模索しています。
<残った人々そして私たち>
今回のチャーター便送還は、送還を免れ日本に残る難民、日本に家族や生活の根拠を築いた人々、送還された場合自国での生き延びることが困難な人々に「私たちは裁判を受ける権利がいつでも否定される」という大きな恐怖をもたらしました。
安全に暮らしたい、家族と暮らしたい、という人間的な願いにこの社会は背を向け続けるのか、ともに歩むのか。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と私たちに語りかける憲法とともに私たちの課題を考えてみませんか。

日時  2015年10月3日(土)  13:30~16:00
場所  エル・おおさか(視聴覚室)
参加費  1000円

主催:「憲法違反の難民申請者チャーター機送還を問う」実行委員会
連絡先:TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会) try☆try-together.com(☆をアットマークに変えてください)

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会場地図






チラシ(画像)







関連

Wednesday, August 12, 2015

【告知】「仮放免者に在留資格を!」 9.9法務省デモ

VISA FOR US!
仮放免者に在留資格を!
法務省デモ
MARCH TO THE MINISTRY OF JUSTICE

2015年9月9日(水曜日) 2:30pm
Wednesday September 9  2015





集合: 日比谷公園  大噴水
Assemble: HIBIYA PARK Water Square





最寄り駅: 日比谷駅(東京メトロ) A14出口 / 有楽町駅(JR) 日比谷口改札
Station: HIBIYA St.(Tokyo Metro) Exit A14 / YURAKUCHO St.(JR) Hibiyaguchi Exit

一時旅行許可: 東京都千代田区
Application for permission for trip: “Tokyo, Chiyoda ward”


おおまち Omachi 090-3549-5890 / みやさこ Miyasako 090-6547-7628 / Elizabeth(English available) 080-4163-1978


◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  9月9日(水)に法務省にむけてデモをおこないます。

  2003年12月、政府の犯罪対策閣僚会議は「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」を発表し、このなかで「不法滞在者」を5年で「半減」させるとの計画を打ち出しました。これは、非正規滞在外国人について、その滞在を事実上黙認したまま安価な労働力として利用するというバブル期以来の方針から、かれら・かのじょらを徹底的に摘発し、国外に追放しようとする方針へと転換するものでした(以上の経緯については、「仮放免者問題と強制送還について――この10年の入管行政をふりかえって」を参照してください)。

  結果的に、2004年時点で約25万人と推定されていた「不法滞在者」数は、5年後の2009年には約12万8千人~13万6千人(推定)まで減少します。法務省は、非正規滞在者の摘発・送還および在留特別許可による合法化によって、「不法滞在者の半減5か年計画」を達成したことになります。

  しかし、労働力等としてそれまで利用してきた非正規滞在者に対し、「あなたたちはもう用済みなので帰ってください」と言って使い捨てるかのようなご都合主義的な政策がゆきづまるのは必然でした。2010年には、収容された送還対象者3名が自殺し、また入国警備官による暴行をうけたガーナ人のスラジュさんが強制送還中に死亡する事件がありました。こうしたなかで、同年3月に西日本入管センター、5月に東日本入管センターで被収容者による集団ハンストが闘われ、おなじ年にそのハンスト参加者を中心に仮放免者の会が結成されました。

  以降、退去強制令書を発付されながらも、それぞれの事情で(難民であること、日本に家族がいること、滞在が長期にわたり日本にしか生活基盤がないことなどで)帰るに帰れない仮放免者・被収容者によって闘いが組織され、展開されてきました。こうした仮放免者らの在留にむけての闘いをまねいたのは、上に述べたような日本政府のご都合主義的な政策にほかなりません。

  この間、2009年7月の入管法改定時に約1,250名だった仮放免者数は、2012年10月末段階で約2,600名へと増え、2014年末で3,400名をこえるにいたりました。このように仮放免者数の増加が止まらないなか、法務省は、2013~2014年度にチャーター機送還を実施するなど、送還によって仮放免者数を減らす方針に依然として固執しているようにもみえます(チャーター機送還については、「【抗議声明】スリランカ・ベトナムへの集団送還について」を参照してください)。

  しかし、もはや送還という手段によっては仮放免者数を減らすことができないのはあきらかです。仮放免者は、就労がみとめられておらず、在留カードの発行を受けられないため国民健康保険等にも加入できずに高額の医療費がかかるために、病気があっても病院で治療を受けずにがまんしている人も多数います。3,400人以上の人を仮放免状態におきつづけ、その仮放免期間を長期化させているのは、人権・人道上、きわめて深刻な問題であるといわざるをえません。法務省は、すでに破たんしたことがあきらかな方針に固執するのではなく、仮放免者に在留資格をみとめ、その滞在を合法化するという方向でこの問題(仮放免者数の増加と仮放免期間の長期化)を早期に解決すべきです。

  9月9日のデモでは、法務省入国管理局に対し、「仮放免者に在留資格を!」とうったえます。ご参加・ご協力をおねがいします。

Monday, August 10, 2015

重傷者B氏に対する医療処遇問題について再度の申し入れ(東日本入管センターに対し)



  重傷を負ったB氏(フィリピン国籍)にたいする医療処遇問題に関して、7月31日(金)に東日本入国管理センター総務課にて再度の申し入れをし、申入書を差し入れました。前回の申し入れ(7月10日)については、以下の記事を参照してください。


  入管医療の構造的欠陥については、以下の記事も参照してください。



  以下、今回の申入書の全文です(申入書に記載した被収容者の名前と受診先の病院名は、匿名にしました)。



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申  入  書
2015年7月31日
法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿
東日本入国管理センター所長  殿
仮放免者の会(関東)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
  私たちは、これまで数度にわたり本人その他の被収容者に聴き取りを行った結果、6月28日(日)にB氏が二段ベッドの梯子段から落下して脊椎損傷の傷害を負った件における貴センターの医療処遇に関して、以下の点において看過しえない問題があると考える。
1.負傷(6月28日(日)午前10時ころ)から24時間にわたり、診療を受けさせずに放置した点。
2.初診時(6月29日(月))、医師(A病院)が「1か月ほど入院したほうが良い」と言ったのにも関わらず、付き添いの入管職員が断っている点。
3.医師からは無理をするなと言われている(但しリハビリはするように言われている)のに、7月6日(月)に面会に呼ばれたとき、B氏のベッドから遠くに車イスを置き、そこまで歩かせている点。
4.上記3の点ともかかわるが、医療専門職の指導なしにB氏に「リハビリ」を行わせていると思しき点。言うまでもないが、時間・方法等についての医療専門職の適切な指導なしに患者が自己判断で「リハビリ」を行うことなどあり得ない。
5.B氏に対し、処遇職員が「あなたは骨は大丈夫、筋肉が痛んでいるだけでしょう」と実際に医師から下された診断と異なることを言った点。
6.B氏が痛み止めの薬(ジクロフェナクナトリウム)が強すぎて目まいがし、酔っぱらったような症状になって困っていることを訴えているのに、処遇職員が「我慢するしかないだろう、飲まないと痛くなるだろう」などと言い取り合わなかった点。
7.B氏は腰の痛み緩和のため温湿布を用いていたところ、7月11日(土)に朝昼併せて4枚用い、夜にさらにもう2枚使用させるよう処遇職員に求めると、一日4枚までと言われ使用を許されなかった点。なお、B氏は、貴センターの看護師から一日10枚まで使っていいと言われていた。そのことをB氏が言っても処遇職員はそんなことは聞いていないと言って結局使用を許さなかった。
8.初診時に医師が「2週間たってまだ痛んだらまた来てください」と伝えているにもかかわらず、2週間たってまだ痛みが引かないので病院に連れて行ってほしいとB氏が処遇職員に伝えても病院に連れて行かなかった点。
  上記の点のうち、1の点については、7月10日に既に申し入れた。
  2については、医師の診療行為に対する介入である点で、3,4,6,7,8については、傷病者に対する虐待ないし収容責任に基づき被収容者に適切な医療を施す義務の懈怠である点で、5,6,7,8については、医療の専門家としての資格も能力も持たない職員が勝手に医療判断を行っている点で、それぞれ重大な問題であると考える。
  これらの点は、既に私たちが貴センターの医療処遇における重大な問題として、何度も指摘してきているものである。したがって、上記の諸点は、これらの問題がなおも改善されないまま放置されてきていることを、如実に示すものであると私たちは考えている。
  したがって、私たちは、貴センターに対し、以上の点につき調査し、以後、このようなことの起こらないよう、医療処遇体制の早急な改善を行うことを求める。
以  上