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Sunday, January 25, 2015

暖房時間・電話可能な時間の延長をもとめる連名意見書(東日本入管センター被収容者から)

  東日本入国管理センター被収容者40名が、1月15日と17日に、同センター所長あてに、処遇改善をもとめた申出書を提出しました。

  2通の申出書は、いずれも8Aブロックの被収容者の連名によるもので、それぞれ、暖房の入る時間帯の延長、夜間の電話できる時間帯の延長を要求しております。

  どちらの要求も、申出書の文面を読んでいただければわかるとおり、切実なものです。と同時に、自分の判断で必要なときに暖房を入れるとか、都合のよい時間に電話をかけるとか、そういった被収容者のごくごく基本的な自由すら入管はうばっているのだということも、あらためて認識させられます。

  入管は被収容者に対して、こうして専制的な統治・管理をおこなっているわけですが、いっぽうの被収容者たちは、申出書を提出するにあたり、討議をとおして全体の要求をとりまとめ、その結果として40名の署名のもとこれを提出しているのです。つまり、被収容者による申出書の提出は、入管の圧政のもとでの民主的な自治の取り組みとしても理解できるものなのです。

  ところで、先月の記事「東京入管でスリランカ人被収容者が死亡――くりかえされる医療放置による死亡事件」で述べたとおり、入管は1年あまりのあいだに、4人もの被収容者を医療ネグレクトにより病死させております(「4人」というのは、収容中の死亡に限定した場合であって、ほかに出所直後に病死している人も複数名います)。そのうち、2名は東日本入管センターの被収容者でした(「【抗議のよびかけ】東日本入管センターで被収容者2名があいついで死亡」)。

  2014年3月30日に同センターが死亡させたカメルーン人Wさんが収容されていた9Aブロックの仲間たちは、急激に体調悪化して歩くのも困難になっていたWさんを心配し、センターに対してかれを外部の病院に連れて行くよう、文書や口頭でくりかえし要求していました。Wさんが亡くなる3日前の27日の午前には、9Aの被収容者たちは職員に「[Wさんが]もう死にそうだ。待てない」とうったえ、みんなで帰室拒否をおこないました。にもかかわらず、センター側はWさんを病院に搬送せず、死亡というとりかえしのつかない事態をまねいたのでした。

  2013年10月に東京入管に収容されていたロヒンギャ難民フセインさんが死亡させられた事件も、おなじです。痙攣(けいれん)し嘔吐しているフセインさんの状況を同室の仲間たちはただちに職員に報告し、医者をすぐに呼ぶこと、また病院に搬送することを要求しました。ところが、東京入管はフセインさんを50分近くものあいだ放置したのです(「急死した被収容者に対する東京入管の医療放置などについての申入書」)。

  入管収容施設であいついでいる死亡事件について、入管の管理責任がきびしく問われるべきなのはもちろんです。が、同時に、入管が被収容者たちの自由・自治を軽視し、これをいちじるしく制限していることが、死亡事件の頻発という事態をまねいているのだということも、指摘しておかなければなりません。

  Wさんの9Aブロックの仲間たちは、その自由が制約されてなければ、Wさんを早期に病院に連れて行ったはずです。また、フセインさんの同室の仲間たちも、もしその自由があったならば、フセインさんが倒れたあと、ただちに電話をかけて救急車を呼んだことでしょう。50分ものあいだ、ただ様子をみているとか、上司の判断・命令を待っているなどということは、けっしてなかったはずです。言うならば、入管は、助けることのできる仲間たちの自由をうばい、かれらが仲間を助けようとするのを邪魔したのです。

  4人の命は、入管が被収容者たちの相互の助け合いをさまたげ、自治の能力・権利を抑圧するなかで、うばわれました。

  そしてまた、こうも言えるでしょう。入管の専制的な管理・統治に対する、被収容者たちの自治的な取り組みと抵抗がなかったならば、もっと多くの命がうばわれていただろう、と。じっさい、被収容者たちが協力して要求した結果として、入管が重病人の受診を許可したケースは多数あり、また処遇等の改善がみられた部分もあります。東日本センターの歴代所長などは、本来、収容所に足をむけて寝られないはずなのです。

  以下に紹介する、このたびの8Aブロック40人による申出書も、そうした自治的な取り組みとしてあるのであって、センターはこれを軽視すべきではありません。要求に真摯に向き合い、誠意をもって回答するようもとめます。

  なお、当ブログがこれまで紹介してきた、被収容者による申出書・意見書は、つぎのリンクでまとめて表示することができます。






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所長宛
申出書
平成27年1月15日
  私達8A BLOCKは、ここでの生活が少しでも緩和されればと思い書かせて頂きました。
  私達8A BLOCKのみんなは、最近かぜが多くいます。そこで以前カゼ薬がほしいという願い事きました。
  現在は、朝のAM:7:00~PM:10:00まで暖房が付いていますが、それ以外はものすごく寒くもう少し暖房の時間を伸ばしてほしいと思い書きました。特に朝はすごく寒い時季なのでよろしくお願い致します。
  暖房の時間が少しでも増えればカゼを引く人数が減ると思います。
  下記のものはみなこの意見賛成する者です。
[省略――8Aブロック40名の署名(13の国籍・民族:ブラジル、カメルーン、スリランカ、ガーナ、ベトナム、フィリピン、クルド、ネパール、バングラデシュ、中国、イラン、インド、インドネシア)]


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所長宛
申出書
平成27年1月17日
  私達8A BLOCKは皆、夜の電話は今現在、3日に一回と2日に一回の週で電話を回したり借りたりしていますが、日本時間と海外では時間が全くことなり、家族と話せない人達がたくさんいる状況です。日本での家族、友人いる人達も夜のPM7:00~9:00の2時間では多くの人達が帰宅時間(仕事関係)で9:00以降が多く、9:00まででは、つながらない人達がたくさんいます。 
  この中(入管)では、自分の家族、友人に話す時間がとても大事な時間なのでもうすこし時間を増してほしいです。どうか、よろしくお願い致します。 
  下記の者は、この意見賛成する者です。

[省略――8Aブロック40名の署名(13の国籍・民族:ブラジル、カメルーン、スリランカ、ガーナ、ベトナム、フィリピン、クルド、ネパール、バングラデシュ、中国、イラン、インド、インドネシア)]

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