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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Sunday, July 27, 2014

長期収容者・病人等の仮放免などをもとめ被収容者が申出書提出(東日本入管センター)

  7月23日、東日本入国管理センター8Aブロックの被収容者が、申出書を同センターに提出しました。申出書は、8Aブロックの14国籍42名の被収容者の連名で出されています。

  同センターでは、3月末に被収容者2名があいついで病死する事件があり、7月11日にも、元被収容者が死亡しました。


  3人の死の背景に、同センターの、破綻しているといってもよい診療体制と常態化した医療放置の問題があることは、あきらかです。

  ところが、こうしてつぎつぎと人が死んでいっているにもかかわらず、同センターの診療体制には、いまだ改善のきざしがみられません。

  同センターの被収容者にしてみれば、だれがつぎの犠牲者になるのだろうか、つぎに殺されるのは自分ではないか、という不安のなかで暮らさざるをえない状況なのです。

  まともな診療体制をとれないのであれば、同センターは収容することそのものをやめなければならないのであって、私たちとしても、長期収容者と病人の仮放免をはじめとした8Aブロックの要求すべてに賛同し、これら要求を受け入れるよう、同センターにもとめます。

  みなさまには、同センターの「殺人施設」と言っても言いすぎでないような状況と、被収容者のうったえに、今度ともひきつづきの注目をお願いします。


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申 出 書

東日本入国管理センター所長殿

平成26年7月23日

東日本入国管理センター
8Aブロック収容者一同

 私達8Aブロック収容者一同は、これまでにも医療問題、長期収容問題について要望書を出してきました。先日、この8Aブロックでは、総務課の方と我々8Aブロック収容者の代表3名とでお話をする機会をいただきました。そういった機会をいただけたのは、とても良かったのですが、まともな答えは得られず医療で問題に関しては「いつ死ぬかわからない。」という不安をかかえたままの人が変わらないのは事実です。ご説明の中で、納得できる所もありますが、根本的に常勤医の必要性が求められている中で、これが実現されないとなれば、やはり病気の進行を防ぐためには、ただちに長期収容をやめる事が最も重要な事と思います。

 被収容者処遇規則第30条1項が「所長等(入国者収容所長及び地方入国管理局長)は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない。」と規定していることからも明らかなのにもかかわらず、常勤医の確保ができずに、診療を1ヵ月以上またなければならないのが現状ですし、そう説明も受けました(Nという職員より)

 私達一同は外でまっている家族などのもとへ、健康な状態で共に生きる権利がありますし、私達には国に帰らない、帰れない理由があります。「帰って当たり前」という入管の一方的な考えでは、私達への「人権侵害」になります。以前名の方が亡くなり、多数の自殺みすいなど、私達は先の見えない長期収容から来る過度のストレス、拘禁病、その他の病気に悩まされています。このような事から、以下の5点を強く要望致しますので、2週間以内に処置を願います。

  1. 入管施設への入所が合計6ヵ月経過している者の仮放免の許可
  2. 精神的又は身体的の理由で通院が必要と認められる者は入所期間に関係なく仮放免を許可
  3. 保証金の金額を本人や身元保証人・引受人の金銭状況を考慮し本人等の希望を重視
  4. 仮放免申請後、おおむね1ヵ月以内結論を出す
  5. 在留資格の交付


もう一方で、8Aブロック内の設備に関しても2点ほど要望したいと思います。

  1. 連日、暑い日が続いているのにもかかわらず、冷房もきかず、時間も限られ、扇風機の台数が、2部屋(しかも雑居部屋)で1つと、去年やおととしに比べて減っていますし、他のブロックは独居部屋でさえ、1部屋1台になっています。8Aブロックは、(平成26年7月現在。)45名と多人数のため、扇風機の台数を増して欲しい。
  2. ここ最近から、午前中のシャワーのお湯が出なくなりました。①でも述べたように、8Aブロックは多人数です。水のみでは、体に良くありません。午後にはお湯のシャワーに入りたいと、シャワー室が混みます。ですから、しっかりと朝からお湯が出るようにして下さい。午前中の運動後にもシャワーに入りたい人たくさんいます。ですので、よろしくお願いします。


      以上の事を全て、強く要望致します。


以 上

(注)
申出書原本はボールペンによる直筆
文中 職員名を「N」とイニシャルにした


おなじ8Aブロックの被収容者は、1月14日にも、センターに対し、仮放免の不許可理由の開示、医療の改善、食事の改善などをもとめて申立書を提出している。こちらもあわせて参照されたい。





添付ファイル エリ

Saturday, July 26, 2014

元被収容者が死亡――東日本入管センターに診療の抜本的改革等を申し入れ

  3月末に、被収容者のあいつぐ死亡事件を起こした東日本入国管理センター(茨城県牛久市)ですが、また犠牲者が出てしまいました。


  亡くなったのは、27歳の中国人男性Hさんです。Hさんは肺がんと診断され、在留特別許可を得て出所したのち、7月11日に東京の病院で亡くなりました。

  収容中の死亡ではないといえ、ガンの発見・診断がもっと早ければどうだっただろうかという思いを禁じえません。

  くりかえしこのブログでも述べてきたとおり、東日本入管センターの医療体制は、収容人数等からみての必要にまったく追いついてない状況です。体調の異変をうったえても、外部診療機関で受診できるまでに2週間以上、あるいは1か月以上も待たされるのが常態になっているような施設で、診察が致命的に遅れる事例が出てくるのは、必然とも言うべきことなのです。

  Hさんの死亡事件を受けて、当会はBOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)と連名で、7月24日(木)に東日本入管センターに申入書を提出しました。

  申入書で私たちは、診療の抜本的改革などをもとめましたが、私たちが申し入れた具体的対処をもってしても、センターの診療体制の「正常化」といえる程度の改善にすらほど遠いと言わなければなりません。センターが存続しているあいだは、法務省およびセンターが早急・迅速に抜本的な改革に取り組まなければならないことはいうまでもありませんが、東日本入管センターの閉鎖にふみきらない限り、問題の根本的な解決はないのだということをうったえたいとおもいます。  

  以下に、申入書の全文を公開します。文中に、関連するこのブログの記事などをリンクしておりますので、リンク先の記事も読んでいただければさいわいです。





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申 入 書
2014年7月24日
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東日本入国管理センター所長 殿
            仮放免者の会(関東)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

一、診療(医療)の抜本的改革
本年三月末の相次ぐ死亡事件を受けて、私たちは4月3日に東日本センター閉鎖も含めて申し入れた。その後、6月19日には、法務大臣、法務省入国管理局長、東京入国管理局長、東京入国管理局主任審査官の各位に宛てて、東京入管から東日本センターへの移収を止めるように申入れた被収容者の生命と健康に責任を負わない東日本センターに移収されれば、その被収容者の生命と健康は危機におかれるからである。しかし、現に東日本センターが存在し、地方局、地方支局からの移収が行われている現在、引き続き東日本センターの閉鎖を求めると共に、その存続する期間、診療(医療)問題の抜本的改革を申し入れる。
ついに第3の犠牲者が出てしまった。7月11日に亡くなった中国人Hさん(享年27)である。Hさんは肺癌、転移性脳腫瘍との診断を受け、入院中に在留特別許可を受け、出所の扱いとはなったものの、その後、東京の病院に転院し、転院先で亡くなった。Hさんは東京入管収容中から頭痛、腹痛を訴えており、昨年11月に東日本センターに移収されたのちも同様であった。Hさんが移収された5Aブロックは昨年から今年にかけて何度も診療問題の改善を東日本センター所長宛てに申し出ていた。それは、東日本センターでは診療を申し出ても2週間から1ヶ月、場合によってはそれ以上放置され、また診療を受けたとしても被収容者(患者)からの訴えを医師が誠実に聞かないことがしばしばだと思われるからである。Hさんは在特を受けて放免後に死亡したものであり、3月末に相次いだ被収容者の死亡とは異なる。しかし、被収容者への医療放置においては同様である。一般的に若年者は癌の進行が早いと言われる。もっと早い段階で肺癌が発見されていたら、Hさんの余命は違ったものとなったであろう。Hさんはすでに出所した者だからと責任を放棄するのではなく、なぜ癌の早期発見ができなかったのか、真剣に検証していただきたい。
また、東日本センター各ブロックからの申し出に真摯に応え、診療問題について抜本から改革していただきたい。
東日本センターは、常勤医師を募集している。谷垣法務大臣も「施設内の医療体制を充実させたい」などとコメントされている。しかし東日本センターにおける診療問題は、医師の常勤体制を作れば解決するものではない。現に2011年度までは常勤医師がいたが、被収容者はしばしば、その医師の診察時の態度に対して強い怒りを表していた。さらにその医師について辞めさせるよう、申し出が出されていた。なぜそのような問題がおこったのだろうか。東日本センター被収容者は、東日本センター診療室で、あるいは外部診療時に、東日本センター職員が医師に対して、「この人(被収容者)はもうすぐ帰国する人ですから」と話し、医師が丁寧な医療を施そうとするのを妨害していることを私たちに訴えてきた。この事からわかるのは、東日本センターは、被収容者が被退令発付者であることから送還までの短期間収容されているだけであり、診療についてもその期間、病気が進行しない、あるいは痛みなどの症状を抑えれば良いと考えているのであろうということである。しかし実際には、東日本センター被収容者は、難民申請者であったり退去強制令書取消訴訟等を提起していたりしており、仮放免されない以上、長期収容される。「もうすぐ帰国する人」がいるとしても極わずかである。その長期収容される人たちの生命と健康を守ろうと思えば、医療法、医師法などに基づき「良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない(医療法第一条の四)」。
例え募集に応じて常勤医師が採用されたとしても、平日の八時間弱の勤務であり、診療科目は内科に限られる。1人の常勤医師の体制で、ほぼ全員が病気、少なくとも拘禁反応を抱える250名規模の被収容者に「良質かつ適切な医療」を施せるわけがない。
問題なのは東日本センターが、被収容者が長期にわたって収容されている事実、また難民手続きや係争中であることから仮放免となって日本での治療が続く者であるという事実を認めることであり、また、これに合致する診療を行うための予算と人員を手当てし、「良質かつ適切な医療」を施せるようにすることである。これについて東日本センターの診療問題の抜本的課題として申し入れる。
また具体的対処として以下、申し入れる。
1.急患者が出た際、医師と連絡が取れず判断、指示が仰げない場合、入管の判断で救急車を呼ぶように方針を統一すること。
2.職員へ人権教育、管理責任義務についての教育を施し、適切な対応ができるようにすること。
3.高血圧症、糖尿病、心臓疾患等の患者を把握し、その患者については仮放免すること。

二、  長期収容者、再収容者、重病・慢性疾患患者の仮放免
 「高血圧症、糖尿病、心臓疾患の患者」の仮放免については上記の通りであるが、疾病の程度に限らず、退令執行から6ヶ月を越える長期収容者、また逃亡などの仮放免の取消(出入国管理及び難民認定法第五十五条)事由に該当しないにもかかわらず再収容された者について人道上の配慮から直ちに仮放免されることを申し入れる。
 東日本センターにおいては、収容が長期化し、また再収容者が次々と移収されてくるなか、2010年には自殺者が相次ぎ、大規模なハンガーストライキも発生した。そうしたなか、同年7月30日に法務省入国管理局から「退去強制令書により収容する者の仮放免に関する検証等について」が報道発表され、東日本センターでも「収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」ことがなされていた。しかし、翌年、東日本大震災があり、退令に服して帰国する者が東日本センターに移収されてこなくなると、当時400名規模であった収容人員を維持するためか、2011年度には再び収容が長期化していった。
 これまで私たちからも繰り返し申入れてきたし、各界でも問題視されるように長期収容は明らかに人権侵害である。さらに、法令を順守し、仮放免の条件(出入国管理及び難民認定法第五十四条2項)を守り、出頭義務を果たしているにも関わらず、再収容が行われることには私たちは反対である。この再収容された者が東日本センターに移収されている。退令収容6ヶ月を越える長期収容となっている者、また再収容されている者について直ちに仮放免されることを申し入れる。
 ただし被収容者の中には、仮放免するのではなく東日本センターの責任で治療する事を求める者もいる。長期収容により羅病し、また病状が進行し、仮放免になっても治療を受ける費用を用意できない者が東日本センターの責任で治療を求めるのはもっともな要求である。こうした者について職権仮放免で放り出すようなことがあってはならない。本人の意思に基づいて治療する事、あるいはHさんのように在留特別許可を付与して社会保障を受けられるようにすることを申し入れる。

三、収容期間の規定について
 仮放免取扱要領は第9条<仮放免の許否>において「(4)被収容者の収容期間」を定めている。この「被収容者の収容期間」について、東日本センターは以前は、退令収容期間について地方局、地方支局からの通算で算出していた。しかし2012年度の途中から、東日本センターでの収容期間に置き換えた。東京入管、同横浜支局においては、退令発付後もしばらくは東日本センターに移収されず、それぞれの収容場での退令収容が執行される。また収容場での退令収容の期間は人によってさまざまであり、6ヶ月以上経ってから東日本センターに移収される者もいる。収容場での退令収容と東日本センターなどの入国者収容所での退令収容にとりわけて区分すべき法的根拠も実態の違いもない。収容場での退令収容を「被収容者の収容期間」に加えないのは不当である。これも2011年度からの収容人員の確保と、それによる収容長期化を覆い隠すためとしか私たちには理解できないが、このような姑息な変更は直ちに止めていただきたい。

四、面会の以前の状況への復元
 一昨年11月から東日本センターでは、一度に面会できる被収容者人数の制限、支援者の1日当たりの面会回数の制限(家族の面会を優先することを理由として支援者の面会を後回しにすることによって、結果的に1日当たりの面会回数が減少した)などを行ってきた。それまでも2010年9月から寮・ブロックをまたいでの同時面会ができなくなるなど、面会活動への制約が課されてきた。被収容者が家族と面会することを重視するのは人道上の配慮として当然の事である。だがそれならば、第二面会室の使用条件を緩和するなど、取るべき措置はいくらでもある。一方、被収容者には日本に家族がいない者、支援者との面会を求める者が多数いる。支援者は、「なぜ面会に来てくれないのか」との被収容者の切実な訴えの電話に常に悩まされている。面会室の面積からして、一昨年10月まで認められていた5名を越える人数を求めることは不可能だと思われる。少なくとも一昨年10月までの状態に直ちに戻していただきたい。また、通訳、同国人同士の交流という面から、寮・ブロックをまたいでの面会は重要である。2010年8月までの状態に戻していただきたい。ただし、2010年8月段階では、仮放免者が面会する際は1名とだけしか面会できなかった。これが現在、解除されている点は、被収容者への人道配慮上有益である。仮放免者の面会については引き続き、日本人や在留資格を有する者と同様にしていただきたい。

          以 上

Monday, July 14, 2014

関東での面会ボランティア募集

 関東仮放免者の会(PRAJ)では、私たちといっしょに入管に収容されたかたがたとの面会活動に参加してくださるボランティアを募集しています。
  当会は、仮放免者による当事者団体であって、支援者は、当事者が討議によってきめた活動方針にそって、活動しています。面会ボランティアも、原則的には、仮放免者当事者がきめた方針にのとって支援者として面会活動をおこなっています。

  関東仮放免者の会の理念と活動目標については、以下のリンク先の「宣言」を参照してください。



1.面会活動の目的と内容

  入管の収容施設に収容されている方々(以下、「被収容者」といいます)には、大きく分けて、入管法違反に問われて審査中の方と、審査の結果、退去強制令書を発付された方がいます。

   当会が面会等をつうじて支援対象にしている被収容者は、おもに後者の、すでに退去強制令書の発付を受けたひとです。退去強制令書の発付を受けたひとの大多数は、入管の決定に服して、帰国していきます。しかし、これに服さずに在留をもとめるひとも、一定数います。

   退去強制令書をだされているにもかかわらず、在留をもとめ、当会などのボランティアに面会を依頼してくる被収容者たちの多くは、難民であったり、日本に家族がいたり、日本滞在が長期にわたるために生活基盤が日本にしかなかったりといった、帰るに帰れない事情をかかえています。

   このブログでも報告してきたとおり、入管の収容施設での処遇は、医療放置をはじめとしてはなはだしく人権を侵害したものというほかなく、そこでの収容はきわめて過酷です。被収容者にとっては、人生の貴重な時間(2年をこえる超長期収容を強いられている人すら多数います)を、いつ外に出られるともわからないこの苛烈な環境で過ごすことをしいられているのであって、それは国籍国に帰れるひとならば、とっくに帰っているような環境です。じっさい、退去強制令書発付処分に服さずに、私たちに支援要請してくる被収容者のほとんどは、帰るに帰れない事情をかかえ、拷問とよんでも言いすぎでないような収容をしいられている人たちです。

  そして、関東地方では、当会の支援者をふくめた面会ボランティアは、面会と支援を依頼してくる被収容者の数にたいして圧倒的に不足しているのが現状です。

   面会ボランティアは、そうした被収容者にたいして、個別には、面会をつうじて助言や、各種申請(難民申請や仮放免申請など)の手伝いをおこないます。在留をのぞむ被収容者は、入管からの説明がじゅうぶんになされていなかったり、説明がなされていても、言語的な問題などのために結果的にじゅうぶんに伝わっていなかったりするために、可能あるいは必要な手続きや手段について、また自身のおかれた状況について、面会ボランティアに質問したり助言をもとめたりしてきます。面会ボランティアは、その場でこたえられる質問にはその場で答え、答えられない質問ついては、持ち帰って調べたり、他の支援者に相談するなどして、次回の面会時に被収容者につたえるようにします。在留のみちを模索するにせよ、退去強制令書を受け入れて帰国するにせよ、それはあくまでも、被収容者自身が決定することです。支援者としては、被収容者本人の意思を尊重し、被収容者が方針を自分で決定するためのサポートをします。そのうえで、被収容者が決めた方針にもとづいて、可能な範囲で各種申請等の支援もおこないます。

   また、入管の収容施設は、医療をはじめとした処遇がきわめて劣悪であり、また明らかに施設の収容能力をこえた長期収容が常態化しています。そのため、このブログでもたびたび報じてきたとおり、被収容者たちが連名での改善要求を提出するなど、入管収容施設は、うばわれた人権を回復しようとする被収容者たちの闘争の現場にもなっています。面会ボランティアは、面会をとおして施設の処遇などの状況を把握し、必要におうじて入管の各局・センターに抗議・申し入れをおこないます。被収容者がみずから集団あるいは個人で、処遇等の改善要求をおこなっている場合は、被収容者にたいし入管が誠意をもって回答し、改善すべき点を改善するよう、支援者として申し入れることもあります。

   以上のように、当会の面会ボランティアは、退去強制令書を発付されたものの帰るに帰れない事情をかかえ、在留をもとめていくことを決意した被収容者ができるだけ早く仮放免許可をえられるための支援をおこないます。そのためには、個々の被収容者への個別の支援はもちろんのこと、被収容者全体について、長期収容をやめることや処遇改善を被収容者とともに入管各局・センターにもとめ、はたらきかけていくことも欠かせません。

  私たちの会は、仮放免者「全体」の権利獲得を目的として活動している団体です。したがって、帰るに帰れない事情をかかえ、苛酷な収容をしいられている被収容者(近い将来、「仮放免者」となるはずの人たちです)についても、その「全体」の利益向上をえられるべく面会等の活動をしています。とくに、劣悪な処遇のもとで長期にわたって収容するということは、被収容者それぞれの在留をのぞむ理由や事情(難民であるかどうか、日本での家族の有無など)をこえて、あるいは犯歴の有無にかかわらず、人権の侵害というべきことです。

  ですから、面会にあたっては、被収容者の個別の相談や質問におうじるといったことだけでなく、「どのような人にたいしてであれ、長期収容は不当な人権侵害であり、ゆるされない」という認識を被収容者と共有していくことも重要な課題であると私たちは考えています。被収容者たちは、日々、入管の職員から、退去強制令書に服して帰国するようにプレッシャーをかけられています。だからこそ、被収容者にたいして面会をとおして「不当なのは収容されているあなたたちではなく、入管のほうである」と私たちが考えているとつたえることは、面会ボランティアのはたしうる、なによりも大事な役割だといえます。



2.面会活動をおこなう収容施設と言語

  このたび、面会ボランティアを募集しているのは、関東地方にあるつぎの3つの収容施設での面会が可能なかたです。

(1)東京入国管理局(JR・京急の品川駅よりバス約10分)
(2)東京入国管理局横浜支局(JR新杉田駅よりバスで約15分)
(3)東日本入国管理センター(JR牛久駅よりバスで約25分)

  入管により面会が許可されている時間帯は、平日の昼間のみなので、その時間にお勤めのかたにとって定期的な参加はむずかしいかとおもいますが、月に1度、あるいは数か月に1度でも参加可能なかたも歓迎しますので、ぜひご相談ください。

  面会活動は、(1)~(3)の収容施設ごとに面会チームをつくっておこなっております。被収容者から面会でうけたさまざまな相談や質問、依頼などについては、面会チームで共有し、討議して、対応を考えていくことになります。

  なお、面会で必要な言語についてですが、当会の面会ボランティアは、日本語しか話せない者が多いです。収容されているかたは日本語を話すかたが多いですし、日本語での会話がむずかしいかたと面会するばあいでも、収容中の同国人などで日本語の得意なかたに通訳をおねがいするといった方法での面会も現にしばしばおこなっております。日本語以外の言語ができないから面会活動に参加できないというようなことはありません。

  もちろん、日本語以外の言語での会話が可能なかたの参加も大歓迎です。入管の被収容者には、さまざまな言語の話者がおり、そのおもな言語だけでも、英語、中国語、シンハラ語、タガログ語、タイ語、ペルシャ語、ウルドゥー語、バングラデシュ語、ネパール語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、韓国語(朝鮮語)、ベトナム語などがあげられます。

  当会の面会活動への参加をご検討いただけるかたは、以下のメールアドレスまでご連絡ください。


連絡先
大町(おおまち)
praj1031☆yahoo.co.jp (☆を@にかえてください)

Saturday, July 12, 2014

再収容の中止、一時旅行許可の運用の改善などを東京入管に申し入れ(6.19)

  6月19日に、東京入管にたいし、関東仮放免者の会として申し入れをおこないました。申し入れは、仮放免者当事者をはじめとする約50人でおこないました。


  申し入れた内容は、大きくわけて3点あります。

◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

  ひとつは、東京入管がさいきん頻繁におこなっている再収容をやめること、再収容された者をすみやかに仮放免することを要求しました。

◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

  2点目として、「一時旅行許可」の運用について、改善をもとめました。
仮放免者は、入管に届け出た住所のある都道府県から出ることを原則としてみとめられておらず、必要があってそこから出る場合は、入管局から「一時旅行許可」をもらわなければならないことになっています。

  ところが、今年度がはじまった4月1日以来、東京入管は、この「一時旅行許可」をきわめてきびしく運用しはじめたため、許可申請の窓口になっている違反審査部門の部屋は、毎朝、仮放免者たちによる不満の声と抗議のために、騒然となっています。仮放免者が不満と抗議の声をあげているのは、じっさいその生活におおきな支障がでているからです。

  仮放免者もこの地に住み生活する住民である以上、通院のため、宗教行事のため、あるいは家族や友人・知人と会うためなどに、都境・県境をこえなければならない必要が多々あるのは当然です。しかし、東京入管は4月より、「一時旅行許可」の運用をひじょうにきびしくし、申請にあたって、仮放免者が会いにいこうとする相手の身分証のコピーを提出するようにもとめたり、他県に行く日にちと場所を特定し、その疎明資料を出すようにもとめたりと、仮放免者の移動にたいし、常軌を逸した制限をくわえています。ある仮放免者家族(夫妻と小学校1年生と幼稚園児の4人家族)は、子連れで遊園地に行くために一時旅行許可を申請しようとしたら、『遊びに行くのはダメ』と入管職員から言われた、というような例もあります。

  こうしたきびしい運用について、入管側は、「仮放免取扱要領」にさだめられた手続きにのっとった正当なものだと説明しますが、その「仮放免取扱要領」がつくられたのは2001年のことであって、10年以上たった現在とは状況がまったくちがいます。このブログでもくりかえし述べてきたとおり、近年、仮放免者数は増大し、3,000人以上いると推定されるうえ、その仮放免期間、また退去強制令書が発付されてからの期間はめだって長期化しております。なかには、仮放免期間が10年をこえるという人もいるくらいです。




  現在、仮放免制度は、実態として、病気治療などのため送還が可能になるまでのあいだ「仮」に収容を解くという「一時的」な措置として運用されているとはいいがたいものです。帰国しようにもできない人に退去強制令書を濫発したために、入管のいうところの「帰国忌避者」の数が送還不可能な規模にふくれあがり、そうした人たちを収容しつづけるにも限度があるため、仮放免者数も増大し、また仮放免期間も長期化している、というのが現在の状況です。つまり、もはや仮放免制度は送還までの「一時的」な措置として運用されてるのはいいがたい実態があるし、そのような措置として運用することが現実的に不可能な状況に現状はあるわけです。

  このような現状においての、上記のようなほとんど「いやがらせ目的」としか言いようのない移動の制限は、仮放免者の生活や難民性立証作業を妨害する権利侵害としてみすごすことができないのはもとより、行動面・精神面での圧迫をくわえることで仮放免者が在留をあきらめて帰国するよううながすねらいがあってやっているのではないかと疑わずにはいられません。

  入管職員のなかには、外国人、とりわけ被収容者や仮放免者にたいして、きわめて乱暴・横柄な対応をする者が一部おります。仮放免期間の更新や一時旅行許可を申請するために来庁する仮放免者にたいし、威圧的な言動をおこなうことで、仮放免者の在留の意思をくじこうとしているのでしょう。申入書では、当会のスタッフに対して「お前」よばわりするなどの暴言をはいた職員がいたことを指摘しましたが、支援者にたいしてすらこうなのですから、この職員は、より立場のよわい仮放免者にたいしても、同様の、あるいはもっとひどい乱暴・横柄な対応をしているのでしょう。年度がかわってから東京入管が一時旅行許可を非常にきびしく運用しはじめたのは、仮放免者の帰国をうながすためのいやがらせ行為として入管が組織的におこなっているもののようにもみえます。それは、一部の職員の威圧的なふるまいについても、入管がこれを組織として追認、ないし推奨しているものなのではないか、との疑念をますますいだかせるものです。

◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

  東京入管に申し入れた3点目は、被収容者の「移収」にかんしてです。東京入管の被収容者は、退去強制令書がだされてから、茨城県の東日本入国管理センターに移収されるのが通常です。ところが、同センターは、3月末に被収容者2名があいついで病死するという事故がありました。




  その後3か月たったにもかかわらず、依然、診療問題は改善しておりません。東日本入管センターの医療体制の劣悪さは、東京入管とくらべてすら最低・最悪というべきもので、同センターへの移収は、被収容者の健康と生命を深刻な危険にさらすものといわざるをえません。

  このため、当会としては、東京入管からの移収、とりわけ東日本入管センターへの移収をおこなわないよう、申し入れました。




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申 入 書 
2014年6月19日 
法務大臣  殿 法務省入国管理局長  殿
東京入国管理局長  殿
東京入国管理局主任審査官  殿
 当会では、東京入国管理局(以下、「東京入管」という。)で最近頻繁に行われてきている一部の仮放免者に対する再収容、さらには今年4月1日より行われている仮放免者の一時旅行許可の厳格化等の諸問題に関する東京入管の対応に対し、強く抗議し以下申し入れを行う。

(1)再収容について 
  東京入管において、一部の仮放免者、特に永住者の配偶者等や日本人の配偶者等を中心に再収容が頻繁に見られる。当会がこれまでにも繰り返し申し入れてきたことではあるが、難民不認定異議申立棄却や行政訴訟での敗訴確定を契機とする退令仮放免者への再収容、また、行政訴訟での敗訴確定後、事情の変化等により再審情願を申し立てている者等については、当人の帰国出来ない事情を十分に考慮した上、再収容を行わないよう強く申し入れる。難民申請者や日本に家族がいる者、本邦に長期に渡り滞在し生活基盤を築いてきた者等の仮放免者は、それぞれどうしても帰国出来ない事情を抱えているがゆえに長期にわたる苛酷な収容生活、仮放免中の無権利状態に等しい生活にもかかわらず在留資格取得を目指して本邦での在留を継続している。このような仮放免者に対する収容、とりわけ再収容は当人、及び家族に人生を絶望させ、自殺未遂や疾病、或いは自殺といった最悪の事態に帰結する可能性のある重大な人権侵害である。再収容を行うにあたっては、細心の上にも細心の注意が払われるべきであり、入管法第五十五条違反、犯罪行為等の新たな退去強制事由によるもの以外の再収容は行わないでいただきたい。 
  当会会員のA(フィリピン、男性*申入書原文では実名)は再審情願中であり、2013年8月17日、千葉B病院(*申入書原文では実名)にて医師の診察を受け、胆嚢結石症、急性胆嚢炎と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出手術を行っており、2014年2月20日には、埼玉県所在のC病院(*申入書原文では実名)にて医師の診察を受け、腰椎間板ヘルニア、右下肢静脈瘤と診断され、右下肢静脈瘤は手術が望ましいとされ、医師の継続的治療を必要としている状態でもあった。今回の再収容は、彼の心身に回復困難な打撃を与える可能性がある。また同じく当会会員のD(ネパール、男性*申入書原文では実名)は難民申請者であったが、異議棄却をつげられ即日収容されている。当会ではこうした再収容に対し、強く反対、抗議すると共に彼らの速やかな仮放免を求める。

 (2)一時旅行許可について
  2014年4月1日から東京入管では、仮放免者の一時旅行許可について極めて厳しい運用がなされ、仮放免者は友人や、家族と会う事が困難になるという状況も生じてきている。こうした状況に対し仮放免者及びその家族、友人、支援者達から激しい抗議の声が上がり、連日違反審査部門で職員との間に激しいやり取りがかわされ、現場は混乱状態にある。東京入管に対しては、上記の運用を運用変化以前の状態に戻すように申し入れる。 
  東京入管では、今回の運用の変化を仮放免取扱要領に沿ったものと当会には説明している。しかし、これらの説明は仮放免者達に十分になされておらず、「ボスが変わりました。なのでやり方が変わります。」などとし、簡単な説明用紙を配布する程度の事しかしていない。仮放免者及びその家族等にとってみれば従来の運用からの現在の変化が、生活上著しい制約を受けるものになるにもかかわらず、それがどのような法にもとづき行われるものなのか全く理解できず不満を募らせている。これが激しい抗議へと結びつき現場の混乱に拍車をかけている。取扱要領は厳格に適用しようとすると人道上問題があるような著しい制約を仮放免者にかける事となり、膨大な一時旅行許可申請に対応する職員の負担も増大する。こうした事情があるからこそ、これまでのような運用がなされてきたのであり、そこには高度な行政上の判断があったと当会でも理解している。こうした事からも一時旅行許可に関しては、これまでの運用にもどしていただきたい。 
  例えば退令発付を受けているといえ、難民申請者は自国に帰国できず、自らの難民性立証のためには弁護士のみならず支援団体等とも十分に相談しなければならない。支援団体とは難民性立証のためにとどまらず、食糧支援等の生活支援を含む多岐にわたる係りがあり、これらは現在の東京入管の運用のように日にちを特定して一時旅行許可をとるという事にそぐわない。また難民認定の審査は長期間を有するものであり、仮放免中就労を禁止されている現状からも支援団体のみならず友人、知人等に頻繁に会い交流し支援を受ける事も重要となる。現在の一時旅行許可の運用はこうした仮放免者の難民性の立証の妨げとなっている。婚姻を在留理由とするものに関しては、退令取り消し訴訟中、難民申請中、再審情願中のいずれにせよ両者の絆を深めるためデートしたりする必要がある。これらに関してもその性質上、日にちを特定することや出かける場所を特定して疎明資料を出すという事は常識的に考えても全くそぐわない。現在の運用は仮放免者のみならずその家族、配偶者の行動にも制限をかけるものである。また一家で仮放免というケースでは、仮放免期間が長期化し、子供が学齢期に達するなどしている事も多々ある。子供の健全な成育のためには家族でどこかに出かける、旅行をするといった事は当然必要だが、現在の運用では旅行は事実上認めないものとなっているため、こうした仮放免の子供達の健全な成育の阻害要因となってしまっている。こうした一家で仮放免という場合で親が日本語能力を十分有しない等の事情を抱えていた場合は疎明資料を十分に用意できない事もある。また別れた配偶者との間の子供に会うといったケースに関しては、それが仮放免者のみならず子供にとっても必要である場合があるが、別れた配偶者の協力が得られない十分得られない場合等もあり、日にちを特定する事や疎明資料を提出する事が困難な場合もある。現在の運用はこうしたケースの子供の健全な成育を阻害する要因となる可能性がある。また現在の運用では友人、知人と会う等の場合、当該の者の身分証のコピーの提示等を求めているが、こうした事は相手側のプライバシーの問題もあり、あまりに乱暴である。 
  現在は交通手段の発達から30分も電車に乗れば県を簡単にまたいでしまう。また仮放免期間は長期化し10年に及ぶ者もおり、仮放免者数も増大している。(要領がはじめて施行された平成13年当時にはこうした状況は想定外にあった。)こうした現状の中で現在の運用のように仮放免取扱要領をあまりに厳格に適用しようとすると上記のような人道上極めて問題があるケースが多々出てきてしまう。現在東京入管では、仮放免者及びその家族らと入管職員との間で一時旅行許可に関する激しいやり取りが連日あり、前述したような職員の説明不足等の理由もあり、現場の雰囲気はかつてなかったほどに険悪なものとなっている。5月9日には違反審査部門の職員の幹部らしきEという職員(*申入書原文では実名)が当会の者に一時旅行許可の件で対応した際、自分の身分を問われても明らかにしないばかりか「お前は関係ない。(一時旅行許可の件は)お前なんかに話す必要はない。」等と何度も繰り返し発言した。国家公務員である入管職員が支援団体の市民を相手にこのような発言をすることがあってはならない。東京入管にはこのような職員に対し、教育の徹底を求める。このような職員の言動はあってはならないが、こうした者がでてくるほど現場はかつてないほど殺伐とした雰囲気になっていて、対応におわれた職員が疲弊しているという現状もあろうかとも思う。このまま現状の運用が続けば無用のトラブル、事件等も起こりえる。これらを未然に防ぐという観点や前述してきたような仮放免者に対する人道配慮、職員の負担等を考慮の上、一時旅行許可に関しては、これまでの運用にもどしていただきたい。

(3)被収容者を入国者収容所東日本入国管理センターに移収しないこと 
  本年三月末、東日本センターでは相次ぐ死亡事件が発生した。しかし東日本センターは、自らの対応に問題はないと繰り返すだけで、現在に至るも被収容者への診療問題は何ら改善されていない。重篤な被収容者対しても適切な診察をおこなわず、誰かが意識を失って倒れ、同じブロックの被収容者たちが受診を強く要請して初めて外部受診される状況が続いている。いつ三人目の犠牲者が出るかわからない中で被収容者も支援者も不安な一日一日を過ごしている状況である。私たちは本年4月3日、法務大臣、法務省入国管理局長、東日本センター所長に、東日本センターの閉鎖などを申入れたところである。少なくとも東日本センターでの診療問題が改善されていない現状において、東京入管からの被収容者の東日本センター移収を行わないことを申し入れる。被収容者の生命と健康に責任を負わない東日本センターに移収されれば、その被収容者の生命と健康は危機におかれるからである。また西日本センター、大村センターへの移収は、被収容者の家族・友人と切り離すことになり、また東京入管での難民手続き、東京地裁など関東での訴訟に困難を招くので、これもおこなわないでいただきたい。


以  上 
申入れ団体    仮放免者の会(関東)



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3.5「仮放免者に在留資格を!」デモの報告


  当ブログの担当者がサボっていたため、報告までにだいぶ時間があいてしまったのですが、3月5日におこなった「仮放免者に在留資格を!」について報告します。

  以下に、『週刊金曜日』(983号、3月14日)に、当会事務局より寄稿した記事を転載します。




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退去命令に抗議する外国人ら

在留資格を求めデモ


「仮放免者に在留資格を!」と題したデモが3月5日、東京で行われた。「仮放免者」と呼ばれる非正規滞在(出入国関連法令に違反した状態での滞在)の外国人を中心に約150人が集結した。 
  仮放免者とは、入国管理局から退去強制令書発付処分を受けたものの、収容を一時的に解かれている人々である。入管による収容は、きわめて過酷なものだ。医療処遇の劣悪さ、強制送還の恐怖にくわえ無期限の収容(いつ出られるかわからない)による極度のストレス、入国警備官の執拗な帰国勧告。仮放免後の生活も、就労を許可されないうえ、在留資格がないため健康保険に入れないなど、生存権をうばわれた状態にある。 
  2時に日比谷公園を出発したデモ参加者は新橋方面にむかった後、法務省前を通り「仮放免者に在留資格を認めろ」「外国人を人間として認めろ」などと声をあげた。関西や東海からかけつけた仮放免者と支援者らの姿もあった。 
  日比谷公園に戻っての集会では、バングラデシュ人仮放免者がスピーチをし、「この雨のなかでも、雪のなかでも、日本政府がビザを出すまで私たちの気持ちはかわらない。今日みたいにこれからもがんばります」と決意をのべた。また、フィリピン人仮放免者は、昨年に行われたフィリピンとタイへのチャーター機による集団送還にふれ「この前の強制送還、二度とないよう、みんながんばりましょう」と呼びかけた。 
  全国で3000人を超えると推定される仮放免者。その多くは難民であったり、日本に家族がいる、生活基盤が日本にしかないなどの理由をかかえており、送還には人道上の問題がある。労働者やシャドーワーカーとして日本社会を長く下支えしてきた人々だ。強制送還による使い捨てをせず、社会の一員として生存権をはじめとした人権を保障できるのか。問われているのは、日本社会の公正さである。

永井伸和・仮放免者の会
雨のふる平日の昼という悪条件にもかかわらず、約150人がデモの参加した。(撮影/永井伸和)





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デモに先立って





デモに先立ち、東海・関西から来た支援者の提案で、東京入管前で入管への抗議・被収容者への激励の声をあげた。



デモ出発地の日比谷公園にて。



偵察と仮放免者への威嚇目的の入管職員とおもわれるひとたち。カメラをむけると、いっせいに傘で顔をかくした。