PRAJ (Provisional Release Association in Japan): Who We Are
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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Wednesday, October 26, 2011

心停止した収容者を放置しつづける東日本入管センター

■東日本入管の医療の危機的現状
  入管収容施設の医療がきわめて劣悪であることは、これまでもこのブログで報告してきました。現在、東日本入管センター(茨城県牛久市)の医療の悪化がとりわけ深刻になっています。

  たしかに、医療問題が深刻なのは、東日本入管にかぎらないことですし、それは帰国強要を目的とした入管収容施設のかかえる構造的な問題であって、最近になって始まったことではありません。しかし、わたしたちは収容者との面会をつうじて、最近の東日本入管の医療をめぐる状況はひじょうに悪化していると認識しています。

  とくに、深刻なのは「外部診療」についてです。入管は、収容施設内部では対応しきれない病人やケガ人にたいし、外部の病院につれていき診療をうけさせることになっています。ところが現在、東日本入管では、深刻な病気・ケガをかかえた収容者のほとんどが、この外部診療を許可されずに放置されているという事態が生じています。収容者との面会をつうじて各ブロックのようすを聞いても、外部診療につれていかれたという話がぜんぜん出てこないという異常な状況なのです。

  以下、Aさん(50歳代女性、フィリピン国籍)の事例を報告します。

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■Aさんの概況――深刻な拘禁症状、緊急の治療が必要
  Aさんは、今年の1月末に東京入国管理局(東京・品川)に収容され、6月はじめに東日本入管センターに移収されました。収容期間は、あわせてすでに10ヶ月ちかくになります。

  収容前には特別な健康上の問題がなかったAさんの体調が急激にわるくなったのは、3月11日の大震災以降です。高血圧、手足のしびれ、めまい、極度の食欲不振、不眠、頭痛等の症状があらわれ、東京入管収容時には3度、外部診療をうけています。

  しかし、茨城の東日本入管に移収されて以降は、再三の申請にもかかわらず、5ヶ月間一度も外部診療を許可されていません。また、上記の深刻な症状にくわえ、脱力感、おしっこが出ない、腹痛、腰痛、背中の痛み、高血圧と低血圧をいったりきたりするなどの症状があらわれます。具合のわるいときは、職員にかかえられて面会室にあらわれるほどで、自力での歩行が困難なありさまです。ところが、8月末に3度めの仮放免申請が不許可になり、現在4度目の申請中です。

  6月と8月の2度、Aさんの依頼で医師が面会におとずれ、問診のみですが(医師の面会にもかかわらず入管は触診などを許可しないので!)、診察をおこない、東日本入管センターあてに意見書を提出しています。

  2通の意見書によると、病名は「心因反応」「胃炎/十二指腸潰瘍疑」「高血圧」とおもわれるとのこと。さらに、「椎間板ヘルニア」とこれによる膀胱神経のマヒが「神経因性膀胱」をひきおこしている可能性があるとのこと。

  また意見書は、Aさんの症状を放置しておくと、将来、歩行困難になったり、脳梗塞・心筋梗塞を発症したりする可能性があり、専門医への早期受診が必要であると述べています。また、収容によるショックやストレスが病状の原因であること、したがって収容所内での治療は困難であることを指摘し、Aさんの仮放免を進言しています。ところが、東日本入管は、いまだAさんの仮放免を許可していないばかりか、外部診療すらも拒否しつづけています。

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■心停止しても、病院につれていかない
  Aさんは、東日本入管に移収されてから、2度もたおれています。

  まず、6月23日の夜にたおれ、10分ほどのあいだ心停止におちいりました。この間、職員はAさんの容態急変に気づかず、かのじょを放置しました。さいわい獣医師の資格をもつ収容者が同室にいて、かのじょの心臓マッサージにより、Aさんは一命をとりとめました。

  6月27日の朝にも、Aさんはたおれました。おなじ日に、義母のBさん(Aさんの夫のお母さん)が面会におとずれていますが、職員は「『具合がわるいので会いたくない』とAさんが言っている」とBさんに告げ、ふたりを面会させませんでした。後日、Bさんが本人に直接確認したところによると、Aさんはそのような発言をしていないとのことで、職員が事態を隠蔽するためにウソをついたことが発覚しております。

  この2度目にたおれたときには、Aさんとおなじブロックに収容されている約20人の仲間たちが怒り、担当職員に抗議をしたそうです。後日、かのじょたちからは、連名でのAさんの治療を要求する連名の要求書も提出されています(この記事の最後にのせましたので、あわせてお読みください)。

  このような状況にありながら、東日本入管センターはAさんの収容をつづけ、外部診療の要求を拒否しているのです。

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■「外部診療を受けたければ金をはらえ」
  さて、東日本入管では、Aさんにかぎらず、外部診療を申請したら職員から「診療費をじぶんではらうなら、受けさせる」と言われたという収容者からの証言が最近あいついでいます。

  常識的にかんがえて、こうした職員のいいぶんは、かなりおかしなものです。収容者の身体を拘束している入管側に、診療費を負担する責任があるのは当然でしょう。入管は収容よって収容者がみずから所得をえる手段をうばっているうえに、収容そのものによって症状が発生ないし悪化しているケースがほとんどだと考えられるからです。法務省令である「被収容者処遇規則」でも、「所長等は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない」(第三十条)と収容所側の責任を規定しています。

  Aさんのばあいも、8月5日に弁護士が東日本入管処遇部門統括の I氏に電話で確認したところ、Aさんを外部診療につれていくためには、家族がAさんに10万円を差し入れる必要があるとの回答がありました。 I氏のいいぶんは、10万円という金額にとくに根拠はないが、お金の差し入れがないと病院との受診の調整をおこえないということでした。2度も収容所内でたおれ、一度は心停止の状態にまでおちいったひとにたいし、この I氏の対応は、ひどいものです。Aさんの健康と生命を軽視しているとしかおもえません。

  9月16日には、義母のBさんが支援団体をつうじて、8万円をAさんに差し入れしました。このとき、支援団体のかたにたいし、総務課係長T氏は「2,3日のうちに病院につれていく」と回答しています。ところが、東日本入管は依然Aさんを外部診療につれていっておりません。8万円を差し入れてから1ヶ月ちかくたった10月13日、Bさんが総務課に抗議にいくと、T氏はこんどは「いまから病院をさがす」と述べたそうです。

  入管側の対応は、いわば「金をよこしたら、外部受診も考えないでもない」とほのめかしておきながら、Bさんが入金したらしたで1ヶ月以上も知らんぷりをきめこむというものです。この間、「2,3日のうちに病院につれていく」という約束を反故にしたことについて、AさんおよびBさんになんの説明もなし。収容者の生命・健康への配慮がないのみならず、収容者とその家族をナメきってるとしかおもえない対応です。

  東日本入管センターには、Aさんのような病状をかかえたひとを、収容する資格も能力もなく、また人権を尊重する意思すらないことが、もはやあきらかだと言えます。「被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じ」るという被収容者処遇規則にさだめられた職務をすら、東日本入管センターがすでに果たせない状況にある以上、Aさんをはじめとする病人・ケガ人から、1日でも早く仮放免していくべきです。


【資料】
  以下、Aさんの収容されている2Aブロックの連名での要求書を転載します。

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2011年8月7日

  私たちは ここの 中で まじめに にゅうかん(IMMIGRATION)から 出した ほうりつ を ちゃんと まもって のりこえよう がんばって おります。ここ には 太陽 にも あたらないし、食べ物 も 野菜 など すくないし それぞれ の ストレス も あるし いろんな 事で 皆さん は いろんな しょうじょう 出て おります。(べんぴ、いたみ、かみのけ ぬけること、ねむれない こと ……)
  2A 103 PHILIPPINE じん Aさん〔原文では実名〕は 今 けつあつ 高い 時 いろんな 薬 のんで おります。体 だるいし、めまいし、しょくよく ないし、でんわ も 出来ないし、さいきん トイレに いかないし(おしっこ でない こと)……いろいろ なって おります。
  だから 元気 ない 人、体 びょうき ある人 に たいし ちゃんと ちりょうして 欲しい ので どうか 同じ 人間 として ごりかいして 下さいます よう よろしく おねがい いたします。

〔以下、2Aブロック22名の署名――省略〕

Thursday, October 20, 2011

3A・3Bブロックのハンスト解除(東日本入管センター)

  9月末までの回答を求めた要求書に対して、期限を10日過ぎても無視され続けたことに端を発した3A・3Bブロックのハンストは10月19日(水)の昼食から摂食を再開し収束しました。

  この闘いに関心を寄せてくださった皆さん、支援してくださった皆さん、ありがとうございました。3A・3Bブロックの仲間たちは病気の深刻な進行などもなく、足かけ9日間にわたるハンストを終えました。

  面会時、あるハンスト参加者が「私たちは入管によってハンストをさせられている」と発言していましたが、今回のハンストの性格を的確に言い表しています。今年の7月頃から、牛久の各ブロックから牛久入管への要求書が出されましたが、いずれも無視されていました。そのなかで、7Aブロックは回答期限を区切った要求書(「嘆願書」)を出し、それでも回答がないことに怒り8月22日(月)から33名全員で1週間のハンストを打ち抜きました。東日本入管センター(以下「牛久入管」)から回答があっのでハンストは解除されました。
  1か月前にこうした事態があったのに、またもや要求書を無視する牛久入管に、3A・3Bの仲間たちが怒りを爆発させるのは当然です。

  それにしても、被収容者がハンストを行うというのは大変なことです。牛久の被収容者はほとんどが在留希望者であり、誰もが長期収容となっています。そのなかで持病がある人はそれが悪化し、健康だった人も不眠・食欲不振・頭痛などの拘禁反応に苦しめられます。劣悪な住環境、病気の治療を求めても薬漬けになるだけであり、食事はまずく、さらには繰り返される仮放免申請不許可に誰もが爆発寸前のストレスを抱えています。ほとんどの人が睡眠薬や精神安定剤を服用して何とか一日一日を生き延びているのが現状です。その彼らが食事を断つということは、薬も断つということであり、本当に命がけの行動となります。

  私たち仮放免者の会(関東)としては、ブロックのみんなで団結し、よく討議して共通する要求項目をまとめて所長あてに提出すること、意見を言える場ができたら冷静に発言することなどを牛久の仲間たちにアドバイスしています。

  またそれぞれが自分の口で意見を言えるよう、日本語の習得に励もうと呼び掛けています。辛い収容生活の中、少しでも前向きに日々を過ごしてほしいとの思いもあっての事です。しかし今回のように牛久入管が要求書を無視したら別の方法によって闘うしかなくなります。まさに、入管によってハンストという身命をかけた闘いに取り組まざるを得ない状況に置かれたということです。

  それでも牛久入管はハンスト初日にはハンスト参加者全員から意見聴取を行い、早期収拾に向けて動くのかと期待も持ちました。しかしその後の回答は、昼食時間に(摂食はしませんがいつも通り昼食時間帯は各居室に戻されます)各居室を回って早口で日本語文書を読み上げて終わりというおざなりなものであり、誰も回答の中身が理解できない状態でした。

  しかも、14日(金)には3Bブロックの仲間3名に対して、他者にハンストを強要したと言いがかりをつけて5日間の隔離処分が下され、この3名は18日(火)まで隔離房(懲罰房)に入れられました。通常だと隔離処分後はブロックチェンジするところ異例の事ですが、隔離処分後、この三名は3Bブロックに戻されました。このような弾圧を受けながらも、改めて今週に入って両ブロックへの回答があったことから、ハンストは解除されました。

  回答の内容としては、仮放免許可申請の審査期間は1ヶ月~1ヶ月半に短縮するということ以外にはさしたるものはありませんでしたが、ともかく1週間のハンストによってやっと回答がもたらされました。



  各ブロックから出される要求はいずれもが切実なものであり、牛久入管には誠意をもって受け止めてもらいたいところです。最近の2Aブロックの要求書にはトイレの換気扇というささやかやな、しかし極めて当然の項目があります。これにしても、施設の工事が必要となれば予算を組まねばならないしすぐに実現できるものではないかもしれません。しかし「トイレに換気扇を」という当然の要求に入管がキチンと耳を傾け、受け止め、仮にすぐに設置工事ができなくても消臭のための工夫はするとか、被収容者の人権を尊重した対処を考えてもらいたいところです。

  被収容者はしばしば、「私たちは人間扱いされていない」「動物と(扱いが)同じだ」と口にしますが、法務省令である被収容者処遇規則でも「人権を尊重し」と謳っているところを、まずはブロック全体の要求には回答するというところから実現することを私たち仮放免者の会としても入管に求めます。

Friday, October 14, 2011

2Aブロック収容者の連名申入書(東日本入管センター)

  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の2Aブロック(女性が収容されているブロック)の連名での申入書をあずかりましたので、公開します。
  2Aブロックでは8月にも連名での申入書を提出しております。
  しかし、これに対する入管からの回答は、いまだありません。申し入れにたいして無視してとりあわないという入管側のごうまんな態度のために、同センターでは、8月に7Aブロック33人が参加する集団ハンストがありました。そして、今月11日には、やはりおなじ理由で3Aと3Bブロックの収容者約50人がハンストを開始し、現在も続行中です。
  今回の2Aブロックの申入書は、今月末までの回答期限を設定しています。この期限までに誠意ある回答をするよう、東日本入管センターにもとめます。
  申入書の内容は、ひじょうに具体的で、長期のしかも期限の決まっていない収容が、かのじょたちにいかに苛酷な影響をもたらしているか、つたわってきます。とくに、医療問題について、病状の深刻な収容者個々人の状況がことこまかに報告されています。本来ならば、このように収容者ひとりひとりの健康状態をチェックし、収容の状況・ありかたの改善を入管に提言するのは、専属医師のしごとであるはずです。しかし、専属医師のHさんが、そういった仕事をサボタージュしているために、収容者たちがかわりにそういう労働を強いられているのです。
  以下、申入書を全文掲載します。

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所長殿

  私たちは2Aブロックに収容されている収容者です。我々みんな今 自分の人権保証を主張します。私たちは以下の要求を申し入れます。 
(1)長期間収容されてる人たちは時間とともに精神的ストレスや密閉された空間での拘禁反応が現われて症状が日々悪化する一方です。
  半年以上の収容は即仮放免するよう要求します。
  今2Aブロックでは長期収容者が何人かいます。
  101号室中国人は1年2ヶ月過ぎてるし、最近の彼女は外見から見ても体重が落ちてるのが見えるし、歩き方もフラフラして、食事はお粥ばかりでいつも吐いています。
同じ部屋のタイ人も1年2ヶ月です。
  103号室のフィリピン人は血圧がいつも不安定だし、小便があまり出ないです。
  104号室のガーナ人1年2ヶ月だし、彼女は顔にブツブツがいっぱい出ています。足、腰も悪いです。同じ部屋のフィリピン人も1年2ヶ月で顔にアレルギ反応でいつも真っ赤で、腰の骨も曲がってるんです。腕も腫れてます。
  105号室韓国人は1年6ヶ月で、彼女も体にアレルギが出ています。心臓も悪いので、薬を飲まなかったら寝むれないです。
  その後8ヶ月以上になってる人もみんな自分のいろいろ病気を掛かえています。

(2)仮放免に関する問題ですけど、仮放免結果はできるだけ早めに出すように要求します。
  半年以上過ぎてる人たちの仮放免申請は人道的な配慮を必要性として満足できる結果をお願いします。

(3)仮放免の保証金を下げるよう要求します。
  今日本の経済も不安定な情況の中で増税の問題もあるし50万円の保証金は我々にとって非常に高額です。

(4)環境改善をしてもらいたいです。
  牛久市収容所の部屋の窓は外の景色が全部見えないで密閉されてる状態です。横浜と品川でも外が見えるようになっています。牛久に収容されてる期限がもっと長いので、みんなの健康のためにも太陽の光が入るようにしてください。
トイレに換気扇も入れてもらいたいです。
  部屋のトイレは何人かみんな一緒に使用してるんで、換気がもっとも悪いです。
  畳も入れ替えてもらいたいです。
  今部屋にある畳は古くなり、ダニの発生が多いです。他のブロックはベッドの所もあるみたいけど、我々女性たちはいつもダニで背中、腕、足、体全体が痒くなり、ブツブツ赤い点が出る人が多いです。

  今食事の問題と医療の問題でみんなからいろんな意見が多いけど、長期収容が柔軟になれば、すべてが解決できると思います。
  ここにいる私たち女性の中では子どもを産むことも問題になるかも知らない生理不順(酷い人は7ヶ月も生理が来ないです)、便秘、不眠、頭痛、食欲不振、精神的ストレスで、イライラ、長期収容されていたら、いくら健康な人でも病気になっていきます。どんな重い罪を犯かした人でも、法律から決めた刑期が終了すれば自由を得ることができます。でも私たちは自分がオーバーステイしたと言う事で、いつまでかわからない辛い日々を送っています。

  2Aブロックの私たちは、以上提出した問題を検討して10月末までに回答するよう申し上げます。
2Aブロックのみんな
2011年10月5日



【転載】東日本入管のハンストが茨城新聞で報じられました

  すでにお知らせしたとおり、東日本入管センター(茨城県牛久市)の3Aと3B両ブロック(男性が収容されているブロック)の収容者が集団でハンガーストライキをおこなっています。
  10月11日にはじめられたハンストは、現在もつづけられています。これは9月12に3Aブロックの収容者が連名で提出した意見書へのセンターからの回答が、回答期限をすぎてもまったくないことから開始されました。前記事に掲載した意見書を読んでいただければ分かるとおり、収容者たちは、虐待ともいえるような人権侵害を受けているにもかかわらず、入管職員たちの立場をおもんばかり、収容者・職員おたがいにとって(!!)よりよい関係をつくりあげていきましょうという提案・呼びかけさえもふくんだ意見書を提出しています。
  ところが、センター側の反応は、回答拒否でした。いや、回答を拒否するという意思すら収容者たちにつたえていないわけですから、これは「無視」「黙殺」というべきでしょう。
  わたしたちは、東日本入管センターの収容している外国人にたいするこうした軽視・侮蔑に抗議するとともに、ひきつづきみなさまにセンターへの抗議をよびかけます。

東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010

  以下、茨城新聞の記事を転載します。

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仮放免めぐり50人ハンスト
牛久・入管センター

牛久市の東日本入国管理センターに収容中のパキスタン、イラン、インド人男性ら約50人が、仮放免の審査の迅速化などを求めた意見書への回答がないことに抗議し、11日からハンガーストライキをしていることが12日、支援団体などへの取材で分かった。「BOND『外国人労働者・難民と共に歩む会』」によると、同センターには約250人が収容され、無期限ハンストは昨年5月と今年8月に続いて3回目。
(『茨城新聞』2011年10月13日)



Wednesday, October 12, 2011

また収容者の集団ハンスト(東日本入管センター)

  東日本入国管理センターで、10月11日、またも収容者のハンガーストライキがはじまりました。ハンストに参加しているのは、同センター3Aブロックの30人弱、3Bブロックの20人です。3A、3Bとも収容者のほとんどが参加しています。
  両ブロックでは、すでに、仮放免許可の審査の迅速化や、許可/不許可の基準の明確化をもとめた意見書を、同センター所長あてに提出しておりました(この記事の最後に転載しています)。ところが、3Aの意見書への回答が、回答期限の9月末日を10日すぎてもないことから、3Aと3B両ブロックの収容者たちが集団ハンストにふみきりました。
  東日本入管センターでは、8月にも収容者の集団ハンストがあったばかりです。8月の7Aブロックでのハンストも、意見書に回答せずに無視をきめこむという入管側の対応に端を発したものでした。


  8月のハンストは、センター側から口頭で一応の回答があったことをうけて、およそ1週間で解除されました。ところが、このたび入管はまた収容者からの要求を黙殺・無視する姿勢にでています。
  ハンガーストライキは、収容所に身体を拘束されたひとたちがとりうる非暴力の意思表示として、最後の手段です。とくに、東日本入管センターの収容者は、そのほとんどが長期にわたる収容を強いられており、病人もおおくいます。薬をのまなければならないひともいます。
  東日本入管センターに、3Aと3Bブロックの意見書に誠実に回答するようもとめます。また、読者のみなさまに東日本入管センターへの抗議をよびかけます。

東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010

  以下、3A、3Bブロックの意見書を掲載します。仮放免申請の結果をまつ時間や長期にわたる収容が、いかに精神的なダメージをあたえるものなのか、ひじょうに具体的に書かれています。ぜひお読みください。


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【3Aブロック意見書】

東日本入国管理センター所長に
  1. 仮放免の審査時間を短くしていただければ、これにました幸せはございません。
  2. 仮放免の結果がだめ場合は、理由をちゃんと説明してくださいますか。
  3. 手の骨が骨折したのに、アプロケシュン[申請書]を何回書いても、お医者さんが来ないので、病気のことについて、専門の医者にめんどをみてもらうようにお願いします。
  4. 入管のお医者さんから、病気について、はっきり説明してくださいますか。
  5. ご飯とテレビの角度の調整する及び窓を開け、風邪がとおるようにしていただけますか。
  6. 私たちの悩みを理解していただけますか。
  3A group の皆さんから、よろしくお願いします。

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【3Bブロック意見書】

東日本入国管理センター所長

  仮放免に係る私たちの意見を申し上げます。
  第一、仮放免に関する積極的要素と消極的要素やガイドラインをお教えくださることを願い申し上げます。
  第二、仮放免申請する場合、その後1週間ぐらい後結果を頂く期限を通知を願い申しあげます。
  第三、仮放免不許可処分の場合、不許可の理由をお教えくだされることを願い申し上げます。

  私たちは仮放免を希望しますので、なぜ同じ状況で1回目と2回目ならず、3回目と4回目で許可となるかわからないから、許可にならなかった人々は全て仮放免担当審査官の仕打ちを恨んで、警備官も同じように恨んでおり、先生たちの仕打ちは憎らしく信じられないと思います。それで入管に係ることは万事が不満であって、その人々の不満とストレスが増加一路であります。
  その上、仮放免申請した人々は何時結果を頂くかわからないから、時間の経過について不安と焦燥にかられていますので、1ヶ月異常から結果を頂くまで毎日血が乾く心情でいます。それでその恨みと不安、焦燥等から各種ストレス性病気に苦しめられています。
  又、仮放免不許可の場合、不許可の理由を教える時、その人々の不満と恨み等は減消されると思います。
  その他、仮放免に係る業務も減らすことができると思います。今までみんなが仮放免申請をしましたが、仮放免のガイドラインがわかる場合、自分の状況が不許可に該当するとわかれば申請を放棄すると思いますので、その時仮放免に係ることが減ると思います。
  上記、私たちの事情と心情を御斟酌くださることを願い申し上げます。
  ぜひよろしくお願い申し上げます。
平成23年 9月12日

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【3Aブロック意見書 画像】

【3Bブロック意見書 画像】
 

Monday, October 10, 2011

2nd Congress on 16 Oct 2011

in Japanese(日本語)

End All Re-Detention by Immigration and Get Visa!


    The Second Congress of PRAJ: Provisional Release Association Japan (in Kanto) will be held in Tamachi, Tokyo.
    We, PRAJ, have been acting to stop re-detention and long-term detention by Immigration Bureau and to obtain resident status (visa) since the inauguration on 31 Oct. last year (http://www.ne.jp/asahi/toppimpararino/poo/PRAJ/kessei/kessei_photo.html).
    The number of acknowledged asylum seekers in Japan is extremely smaller (only within two digits per a year) than in other countries concluding the refugee convention. In addition, the cases of those detained more than a few years or detained again just a few months after released had much increased in 2009 and 2010. To the contrary, the number of those issued Special Resident Visa had sharply decreased from approximately 8,000 (in 2008) to 4,000 (in 2009).
    In order to stop such tendencies, we organized ourselves into PRAJ which consists of those detained or being in the status of "provisional release," and have fought against Immigration. Currently, re-detention has almost stopped, the number of long-term detention is decreasing, and the period between detention and provisional release tends to be shortened in average.
    However ,we still have many problems. Those provisionally released are prohibited to work and can't get the national health insurance. So we need to obtain resident status. Moreover, we have still some friends who are currently detained for the second or third time or for more than a year. We have not yet completely stopped re-detention.
    Therefore we, PRAJ, would like to have our second congress and discuss what can do by ourselves to obtain resident status or how we should continue to unite and fight against Immigration. We also report our activities.
    We call to all those intending to get resident status in Japan, or hoping to change the immigration policy and system in Japan, regardless of nationality or citizenship: Let's unite! We welcome your participation in our congress.

16 Oct. 2011  1:00 pm
Minato Kinro-Fukushi Kaikan (Minato Hall)map
5min. Walk from Tamachi Sta. (JR-Line) West Exit
1min. Walk from Mita Sta. (Metro) A7 Exit


Contact
Miyasako 090-6547-7628
Masuda 080-3421-4060(English available)

Friday, October 7, 2011

第2回大会のおしらせ(2011.10.16)


End All Re-Detention by Immigration and Get Visa! 
再収容を完全にストップし、在留資格の取得へ!

【漢字かなまじり】
  「仮放免者の会(関東)」の第2回大会を、東京の田町(たまち)でおこないます。
  わたしたち「仮放免者の会」は、きょねん10月31日の結成大会以来、長期収容再収容の阻止と在留資格(ビザ)の獲得をめざして、活動してきました。
  日本では他の難民条約加盟国とくらべても難民認定件数が極端にすくないです(年間2ケタどまり)。そのうえ、2009~2010年にかけては、2年3年をこえるような長期収容が常態化し、仮放免で収容をとかれたと思ったら2、3ヶ月で再収容されるといった例もあいつぎました。2008年までは年間8,000人台だった在留特別許可(special visa)の件数も、2009年には4,000人台に激減しました。
  わたしたちは、こうした状況を改善するため、仮放免で入管の収容所から出た者たちを中心に会を結成しました。仮放免者と収容中のメンバーが力をあわせてたたかうことによって、改善されたところもあります。再収容はとまりつつあります。また、以前にくらべると、長期収容がへり仮放免許可がはやめに出るケースがふえました。
  しかし、まだまだ改善されていないこともあります。仮放免中ではしごとが禁止され、また国民健康保険にも入れません。入管に在留資格をみとめさせる必要があります。
  また、いまも2度目3度目の収容で、いまも入管にとらわれている仲間たちもいます。1年以上の長期にわたって収容されている仲間もいます。再収容も完全にストップしたわけではありません。
  そこで、第2回大会では、再収容を完全にストップさせ、また在留資格を獲得するために、仮放免者自身がなにができるのか、どう力をあわせてこれから入管とたたかっていくのか、話しあいます。また、仮放免者の会がどのようにしてつくられ、どんな活動をしてきたのか、報告をします。
  これから在留資格をかちとろうとしている外国人のみなさん、そして、外国人か日本人かに関係なく、いまの入管制度・入管行政をかえていきたいと考えているみなさん、力をあわせてたたかいましょう。大会へのご参加をおまちしております。


【日時】2011年10月16日(日曜日)  午後1時から

【場所】港勤労福祉会館地図
  • JR田町駅(山手線,京浜東北線)西口から歩いて5分
  • 都営地下鉄三田駅(浅草線,三田線)A7出口から歩いて1分


【ひらがな・カタカナ】
  「かりほうめんしゃの かい(PRAJ)の 2かいめの たいかいを、とうきょうの たまちで おこないます。
  わたしたち PRAJは、きょねん 10 がつ 31にちの 1かいめの たいかいから、ちょうき しゅうよう(ながすぎる しゅうよう)と さいしゅうよう(2かいめ、3かいめの しゅうよう)を やめさせること、そして ビザを とることを めざして、かつどう して きました。
  にほんでは なんみん じょうやくに かめい して いる ほかの くにと くらべて、なんみん にんていを みとめられる かずが きょくたんに すくないです(まいとし 2ケタどまり)。そのうえ、2009~2010ねんに かけては、2ねん3ねんを こえるような ちょうき しゅうようが ふつうに なり、かりほうめんで にゅうかんから でられたと おもったら たった 2、3かげつで すぐに また さいしゅうよう される といった れいも あいつぎました。2008ねんまでは まいとし 8,000にんだいだった ざいりゅう とくべつ きょか(special visa)が みとめられる かずも、2009ねんには 4,000にんだいに おおきく へりました。
  わたしたちは、こうした ひどい じょうきょうを よくする ため、かりほうめんの ひとたちを ちゅうしんに グループを つくりました。かりほうめんの ひとと しゅうよう されてる メンバーが ちからを あわせて たたかう ことに よって、よくなった ところも あります。さいしゅうようは とまりつつ あります。また、まえに くらべると、ちょうき しゅうようが へり かりほうめん きょかが はやめに でる ケースが ふえました。
  しかし、まだまだ よく なって いない ことも あります。かりほうめんでは しごとが きんし され、また こくみん けんこう ほけんにも はいれません。にゅうかんに ビザを みとめさせる ひつようが あります。
  また、2どめ3どめの しゅうようで、いまも にゅうかんに とらわれて いる なかまたちも います。しゅうよう されて 1ねん いじょうも たつのに まだ にゅうかんから でられない なかまも います。さいしゅうようも かんぜんに ストップ した わけでは ありません。
  そこで、2かいめの たいかいでは、さいしゅうようを かんぜんに ストップ させ、また ビザを もらう ために、かりほうめんの ひとたちが じぶんたちで なにが できるのか、どう ちからを あわせて これから にゅうかんと たたかって いくのか、みんなで はなしあいます。また、PRAJが どのようにして つくられ、いままで どんな かつどうを してきたのか、ほうこくを します。
  これから ビザを かちとろうと している がいこくじんの みなさん、そして、がいこくじんか にほんじんかに かんけい なく、いまの わるい にゅうかん せいど・にゅうかん ぎょうせいを かえて いきたいと かんがえて いる みなさん! ちからを あわせて いっしょに たたかいましょう。みなさんの たいかいへの ごさんかを おまち して おります。

【ひにち】 2011ねん 10がつ 16にち(にちようび)  ごご1じから

【ばしょ】 みなと きんろう ふくし かいかん(港勤労福祉会館,ちず)
  • JR たまち えき(やまのてせん,けいひん とうほくせん) にしぐち から あるいて 5ふん
  • ちかてつ みた えき(あさくさせん,みたせん)A7 でぐちから あるいて 1ぷん

16 Oct. 2011  1:00 pm
Minato Kinro-Fukushi Kaikan (Minato Hall)map
5min. Walk from Tamachi Sta. (JR-Line) West Exit
1min. Walk from Mita Sta. (Metro) A7 Exit

連絡先(れんらくさき) Contact
Miyasako 090-6547-7628
Masuda 080-3421-4060(English available)

東京入管のJブロック収容者34名による連名意見書

  東京入国管理局のJブロック収容者34名による連名の意見書です。署名欄以外の全文を公開します。Jブロックは男性が収容されているブロックです。
  34名の署名者は、17国籍にわたります。国籍のうちわけは、スリランカ、トルコ、チリ、インドネシア、タイ、ブラジル、中国、インド、イラン、マリ、バングラデシュ、ギニア、ネパール、ベトナム、ペルー、ナイジェリア、フィリピンです。




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2011-09-29
入管の責任者へ
  われわれは おねがいが あります。

一は フリータイムの時間を30分延長して欲しいです。いまのフリータイムは ちょっと ものたりないです。
二は ねる用のふとんを下にひくと硬いですが、身体いたいを かんじるの人は多いです。よろしければ もうふを もらいたいです。
三は 昼と夕食の改善が欲しいです。もうちょっと しゅるいが ふやしたいです。
四、仮放免の許可がもらいたいです。
五、テレビの放送時間を一時間延長してもらいたいです。
六、病人たちは病院へ治療を受けて欲しいです。

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【補足】
  要求項目の文中にある「フリータイム」については、おなじく東京入管の Fブロックの意見書を紹介した前回記事を参照してください。同記事の下のほうの【補足】で、東京入管収容場のタイムスケジュールと、収容者にたいする管理体制について解説をしております。あわせてお読みください。

  要求項目の「三」は、ねるための敷きぶとんを要求しているものとおもわれます。おどろくべきことに、東京入管では、収容者に敷きぶとんを与えておりません。毛布を与えるだけです。収容者たちは、居室のタタミのうえに毛布だけでねることになります。当然、体がいたくなるし、冬になると寒さも深刻です。
  入管の収容者や収容された経験のあるひとは、みな口をそろえて言います。「入管にとってわたしたちは動物とおなじ。せめて自分たちをおなじ人間としてあつかってほしい」と。「動物とおなじ」という言葉にいっさいの誇張もなければ、それがメタファーでもないことを、このふとんの例はよく示しています。
  収容者は生活のあらゆる面で人権侵害をうけています。「五」の医療の問題もきわめて深刻です。体がけいれんしていて、みるからに重病とわかるひとが外部の病院への診療をなかなか受けられなかったり、ストレスのためか何ヶ月も生理がとまっているひとを収容しつづけていたりといった例が、めずらしくありません。収容された状態では継続的に虫歯の治療を受けられないため、本来抜く必要のない歯を抜かれてしまったひと、また痛みにたえかねて自分で歯を抜いたというひとの話も聞きます。
  入管は、収容者の要求に誠意をもって回答するよう、仮放免者の会としても求めていきます。



  このブログでは、東京入管や東日本入管の収容者が連名で提出した意見書を公開してきました。これまでに公開した意見書は、右のサイドバーの "LABELS" という一覧の「収容者による連名意見書」をクリックすると、まとめて読むことができます。

Wednesday, October 5, 2011

東京入管Fブロック収容者の意見書

  東京入国管理局のFブロック(男性が収容されているブロック)の収容者が連名で提出した意見書の全文を公開します。
  27名、15国籍(アメリカ、フィリピン、イラン、ナイジェリア、韓国、ブラジル、インドネシア、ベトナム、スリランカ、ガーナ、タイ、中国、インド、ネパール)のかたがサインして、9月12日に提出されました。(画像はクリックするとおおきくなります)





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2011.9.12

にゅうかんの せきにんしゃへ

  われわれは おねがいが あります。ここの ルールは もちろん まもりますが、ただし われわれの おねがいも きいて 欲(ほ)しい。
  ここは いろんな ゆうぐうに されていますが、もっと ちがう ところも かいぜんして 欲(ほ)しいです。

一は フリータイムの じかんを 30ぷん えんちょうして ほしい。電話(でんわ)と シャワーと 洗濯(せんたく)の じかんを のばして 欲(ほ)しいです。
二は ねる時 ふとんじゃなく もうふを つかって いますが おきると からだが いたくなるのは しばしばです。
三は テレビと タバコの じかんも えんちょう して 欲(ほ)しい。毎日(まいにち) ここで あんまり やることが なくて それを できると ストレスや トラブルも へるし、いろいろ へんな ことも かんがえずに すむだから、おねがいします。

  われわれは じっさい ここで 生活(せいかつ)して いるので、ここの ふべんさは いちばん わかってるから、ぜひ しんけんに かんがえて、できるなら かいけつ して 欲(ほ)しいです。みなからの おねがいです!

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【補足】
  ほとんど補足説明は不要とおもわれます。いかに、入管が収容者の生活をきびしく制約しているかということが、要求項目から具体的につたわってきます。
  文章中にある「フリータイム」について説明します。
  入管の収容所・収容場では、「フリータイム」と呼ばれる時間帯以外、収容者は基本的に4~6人ほどの単位でカギのかかった居室にとじこめられます。食事と就寝などの時間は、このカギのかかった居室ですごすことをしいられ、シャワーや運動、洗濯、電話、他の部屋の収容者との会話はできません。
  午前と午後の「フリータイム」には、カギがあけられ、収容者は共用スペースに出ることをゆるされます。共用スペースは、フロアごとに「ブロック」とよばれる単位にわけられ、収容者は他のブロック(フロア)の収容者と直接あうことを禁じられています。おなじ収容所・収容場に同時に収容されていながら、夫婦で顔をあわせることはできないし、おなじ国の出身者であっても、ブロックがことなれば、あえません。
  東京入管のばあい、一日のスケジュールはつぎのようになっています。

  • 9:00 起床、点呼(朝7時過ぎに居室に弁当を持ってくる)
  • 9:30~12:00 フリータイム(「開放処遇」ともいう。共用スペースに移動でき、電話、洗濯、シャワー、運動場での運動などが出来る。居室に施錠監禁された状態から解かれる)

  • 12:00~13:00  昼食(各部屋に戻され施錠)

  • 13:00~15:30  フリータイム(その後、各部屋に戻され施錠)

  • 16:30~17:00  このあいだに、夕食が居室に運ばれる。
  • 21:00  点呼(TVが切れる。TVは上からぶら下がり式。リモコン操作。8時30分になると職員がリモコンを回収し、朝7時30分にかえってくる)
  • 22:00  消灯(照明は天井に埋め込み式)

  • 朝7:00  電気がつく。

  こうした収容のありかたは、「懲罰」「刑罰」としかおもえませんが、まえにこのブログでも説明したとおり(7A BLOCK収容者の嘆願書――東日本入管センター)、入管は法的に懲罰・刑罰の権限をみとめられていません。入管法からみても、入管はたんに国外への送還の手続き・準備のための「収容」をみとめられているにすぎないのです。
  そもそも、入管に収容されているひとたちは、「犯罪者」ではありません。日本での在留資格がみとめられず、たんに「不法滞在」の状態になっているだけです。そのなかには、いちど不認定になった難民認定を再度申請中で審査結果を待っているひともいれば、入管による行政処分としての退去強制令に対してその取消訴訟をおこなっているひともいます。また、刑事事件によって在留資格がとりけされたひともいますが、そのひとたちもすでに刑期をおえており、「犯罪者」としてこれ以上の刑罰をうけさせられるいわれはありません。
  このように「犯罪者」ですらないひとびとを、まるで「懲罰」「刑罰」としか言えないような状態で収容しているのが、入管の収容所・収容場における実態です。東京入管では、うえの意見書にあるように、ねるための敷きぶとんやマットレスすら与えていないとのことで、これもひどい話です。