PRAJ (Provisional Release Association in Japan): Who We Are
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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Tuesday, December 6, 2016

【告知】1・4「仮放免者に在留資格を!」デモ / MARCH AGAINST IMMIGRATION BUREAU


1月4日(水)に東京入国管理局にむけてデモをおこないます。


2017年1月4日(水)  1:30PM
集合:JR品川駅(港南口)入管ゆきバス停前

Wednesday, 4 January, 2017
Location: Shinagawa Sta. (Konan Exit)






◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇


  法務省の報道発表資料によると、退去強制令書発付処分を受けたものの、送還にいたらず収容を解かれている仮放免者数は、2015年末の時点で3,606人にのぼったとのことです。

  この仮放免者数は、2009年7月段階での約1,250名でした。およそ6年の間に、3倍近くも増えていることになります。

  このように多数の仮放免者が存在し、いっこうに減っていないどころか増えているという現状が、人権の観点からきわめて重大な問題であることはあきらかです。この4,000人にせまろうとしている仮放免者は、就労が認められず、また在留資格がないために健康保険に加入できず高額な医療費がかかるため、体調不良があっても通院をひかえざるをえないという人も少なくありません。また、仮放免中の高校生・大学生ら(注1)は、ほとんど見知らぬ国籍国へと送還されるかもしれないという不安な状態におかれ、卒業後の展望を持つことも困難です。

  こうした仮放免者数の増加は、私たちがこれまで主張してきたように、ひとつには難民認定率のいちじるしい低さの結果であり、もうひとつには、バブル期以降の外国人をいわば使い捨ての労働「力」として利用してきた、日本政府のご都合主義的な労働政策の結果といえます。非正規滞在者をふくめ一時的な労働「力」として呼び込んだ外国人の少なくない数のひとびとが日本社会に定着していくのは当然のことでした。ところが、日本政府は、2004年にはじまる「不法滞在者の半減5か年計画」、そして2009年以降に顕著となった強力な強制送還執行の方針によって、非正規滞在者を一掃しようとしたのでした。政府のこのような強硬方針は、2010年以降ゆきずまり、先にみたように仮放免者数が年々増大していくという現状をまねいているのです(注2)

  法務省および入管各局は、強制送還を強硬に進めていくことで仮放免者数を減らすという、すでに破綻したことがあきらかな方針に今も固執しているようにみえます。再収容、長期収容、また2013年に始まったチャーター機を使用した集団送還は今年もおこなわれました(注3)。しかし、このように送還執行の強化によって仮放免者数は減らせないことはもはや明らかですし、こうした強硬方針を今後も続けることは、再収容・長期収容によっていたずらに心身を傷つけ、また収容されなくても仮放免状態が長期化することで仮放免者の健康や子どもの将来についての問題を今以上に深刻化させることにしかなりません。仮放免者に在留資格を認め、合法化していくということによってしか、問題の解決はないのです。

  ともに声をあげましょう。また、東京入管に収容されている仲間たちを外から激励しましょう。







【注】

1.仮放免中の高校生・大学生らについては、以下記事参照。



2.以上の経緯については、以下の記事を参照してください。



3.9月22日に法務省は、スリランカ人30人をチャーター機で強制送還しました。

Tuesday, November 8, 2016

裁判傍聴記(1)――大阪入管診療拒否事件


  9月16日(金)、Aさんの国家賠償請求訴訟の第1回期日があり、これを大阪地方裁判所にて傍聴してきました。


  裁判は、予定どおり13時10分に大阪地裁の806号法廷で開廷しました。小さな法廷でしたが、15人ほどの傍聴人が集まり、傍聴席はいっぱいになりました。

  原告席には、中井雅人・清水亮宏両弁護士が着席。原告のAさんは不在。大阪入管に収容中であるとはいえ、原告本人がこの場に来れないのはおかしいという気もします。

  被告席には、国側の弁護士2名のほか、大阪入管の職員3名の姿もありました。

  まず、原告意見陳述として、この場に来れないAさんにかわって、清水弁護士がAさんの陳述書を読みあげました。Aさんは、大阪入管にこれまで治療を拒否され続けてきたこと、費用を自分で出すと言っても診療を拒否されたこと、入管が何もしてくれないためにストトレスがたまり心身ともに状態が悪化していることなどを述べ、「しっかりと裁判長には書類を読んでもらいたい」とうったえました。

  つぎに、中井弁護士が原告代理人意見陳述をおこないました。中井弁護士は、法務省入国管理局が「全件収容主義」という考えをとっていること、また刑事事件であれば要求される司法審査をへないで入管が身体拘束をおこなっているということについて、批判しました。そのうえで、こうした形で被収容者の身体の自由をうばっている以上、入管には「被収容者の生命・健康に対して最高度の注意義務がある」と指摘しました(中井弁護士による「原告代理人意見陳述」はこの記事の末尾に全文を掲載しましたので、ぜひ一読してください)。

  人の身体を拘束しておきながら、診療をせずに放置し、収容主体としての最低限の責任すら果してこなかった大阪入管に対しては、あらためて怒りがわきます。Aさんは、右半身がしびれるとか、口元が思うように動かなくてろれつが回らないといった症状をうったえてきました。常識的にみて、尋常ではない症状です。このような症状を、もし家族や友人がうったえたならば、放置するということはありえないでしょう。ところが、大阪入管はAさんの診療要請を拒否しつづけました。死の恐怖をおぼえるようなひどい症状をくりかえしうったえても、とりあってもらえず、診療を拒否される。Aさんの絶望感・孤立感たるや、想像するにあまりあります。

  裁判では、Aさんに対する大阪入管の医療ネグレクト、人権侵害が追及されることになるのだと思われます。同時に、この裁判が、入管による「収容」のありかたについて、人身の自由、基本的人権の観点から根本的に問い直される機会になってほしいものです。今後とも、この裁判に注目したいと思います。

  この日は、被告である国側による答弁書は出ておらず、11月までに被告が提出するということになり、次回の期日は11月18日(金)13時からと決まりました。引き続いての傍聴・注目をよろしくお願いいたします。


第2回
  日時:11月18日(金)  13:10~
  場所:大阪地方裁判所806号法廷




◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

追記)
  この第1回期日のひらかれた前日にあたる9月15日、Aさんふくめた大阪入管の被収容者3名に、当ブログの以下記事を印刷したものを差し入れしようとしましたが、大阪入管(福山宏局長)はこれを許可しませんでした。
  差し入れを認めないのは保安上の理由からということのようですが、読んでもらえればおわかりのとおり、裁判への注目と傍聴を一般に呼びかけただけの、どうということのない記事です。保安上の問題などあるはずがありません。たんに大阪入管に対する批判的な言及のある記事を被収容者が読むのはゆるせない、というだけの理由での不許可であることはあきらかです。国の機関であり、公的機関としての体裁をたもたなければならないという自制すら、もはや現在の大阪入管にははたらかなくなってきているようです。




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原告代理人意見陳述書
2016(平成28)年9月16日
 大阪地方裁判所第7民事部 御中
原告訴訟代理人 弁護士 中 井  雅 人
 身体が不当に拘束されてはならないことは、あまりにも当然のことです。あたりまえ過ぎるため、日本国憲法は、人身の自由を正面から定めた明文規定を置かず、憲法31条以下において、身体拘束等について適正手続を定めることで、人身の自由を実質的に担保しようとしているのです。
 特に、刑事事件においては、憲法31条以下の規定が刑事訴訟法においてさらに具体化され、「被疑者」「被告人」には、令状発付審査、準抗告、保釈等かいくつもの司法審査を受ける権利が保障されています。身体拘束は生命を奪うことに次ぐ重大な人権制約であることからすれば当然のことです。また、特に昨今の刑事司法実務においては、身体拘束という人権制約の重さにかんがみ、罪証隠滅及び逃亡を疑うに足りる相当の理由を厳格に審査し、身体拘束からの解放を認めようとする傾向にあります。
 他方、法務省入国管理局(日本政府)は、退去強制事由に該当する疑いさえあれば、逃亡の危険等、収容の必要性がない場合であっても、人身の自由を奪う収容が可能であるという「全件収容主義」という考えを一貫してとってきました。これは、外国人にも原則として人身の自由が保障されるという当然の考え方と相容れない解釈です。
 このように入国管理局は、司法審査を経ず、かつ「全件収容主義」のもとで、被収容者の身体の自由を奪っているわけですから、被収容者の生命・健康に対して最高度の注意義務があるといえます。当然、入管法61条の7を受けた被収容者処遇規則は、「所長等は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない。」と定めています。
 しかし、大阪入管では、外部の専門医の診察を受けることができないだけではなく、どんなに体調不良を訴えても、そもそも医者と会うことすらできないという現状にあります。
 「高血圧や糖尿病の人、聴覚が異常に低下している人などが、何度も何度も何度も医者に診てもらいたいと訴えても、診てもらえない。痛みに耐えかねて抗議すると、懲罰房(独房)に入れられ、制裁を加えられる。」という現状があります。
 本訴原告は、医療を受けられない被収容者の中でも、脳梗塞歴がある生命の危険が高い、特に深刻な問題のある方です。それにも関わらず、訴状記載の事案の概要のとおり、度重なる診療拒否を受けています。職員の勝手な判断によって、血液の流れをよくする薬の投薬中止も受けています。入国管理局では、過去に死亡事故を複数件発生させています。失われた人の命は二度とも戻ることはありません。 
 裁判所には、憲法及び入管法の正しい解釈を踏まえた、迅速で適正な判断をお願いしたいと思います。
以 上

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関連


Tuesday, October 18, 2016

10月23日(日) 仮放免者の会 第7回大会


仮放免者の会  第7回大会
PRAJ 7th ANNUAL CONFERENCE





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2016年10月23日(日曜日)12:30pm
集合・JR板橋駅 西口
会場・ハイライフプラザいたばし
一時旅行許可・東京都板橋区


10がつ23にち (にちようび)12:30pm
しゅうごう・JRいたばしえき にしぐち
かいじょう・ハイライフプラザいたばし
いちじりょこうきょか・とうきょうといたばしく


10gatu23niti(nitiyoobi)12:30
syuugoo:JR Itabasi eki nisi guti
kaijoo: High life plaza Itabasi
itiji ryokoo kyoka:tookyooto itabasi ku


みやさこMiyasako 090-6547-7628  | くどうKudoo 080-1008-9219  |  Elizabeth(English available) 080-4163-1978



Sunday, October 9, 2016

法務省入管に申入れ――スリランカへの一斉送還などについて


  10月6日(木曜)、仮放免者の会として、法務省入国管理局に申入れをおこないました。

  申入れの趣旨は、2点です。1つは、9月22日に法務省がおこなったスリランカ人30人の一斉強制送還に対する抗議です。2点目は、大阪入国管理局が当会の支援者1名に対して3か月間にわたり被収容者との面会を許可しない処分を続けていることについて、今後面会を許可するよう申し入れたものです。

  以下、この日に提出した申入書2通を掲載します。


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申 入 書
2016年10月6日
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
仮放免者の会
 本年9月22日(木)、貴職らはスリランカ人30人をチャーター機で強制送還しました。これについて抗議し、以下、申し入れます。
 退令仮放免者は昨年末、3,606人に達し、貴職らも退令仮放免者数の増大を問題とされているところです。これらの退令仮放免者の中には、私たちが在留特別許可を求めている、①2003年以前の入国者、②日本に家族がいる者、も多数、含まれています。1980年代後半のバブル景気の時期から非正規滞在の外国人労働者が増大しましたが、2004年に始まる「不法滞在者5年半減計画」によって摘発が進み、帰国できない事情を抱えた人たちがあぶりだされて来ました。これらの人たちは、過酷な長期収容にも耐え、仮放免となりました。また、私たちは難民申請者について、UNHCR難民認定ハンドブックに従って認定手続きを進めるよう求めていますが、ハンドブックが指摘する「灰色の利益」に相当する難民申請者も多数含まれていると思われます。
 無権利状態に置かれている退令仮放免者数の増大は、私たちとしても社会的に問題だと考えています。なおかつ、仮放免期間が5年を超える者も多数、出てきています。仮放免期間の長期化は、命にかかわります。一切の社会保障制度から排除されている仮放免者は、健康診断の機会もなく、体に異常を感じても全額自己負担となる高額な医療費に躊躇して受診しないケースが多く見られます。
 こうした仮放免者数を減少させることは、社会的にも求められていると私たちも考えます。しかしその方法は、今回も貴職らが行ったような、本人たちの意思に反しての強制送還ではなく、バブル期以降の非正規滞在者の歴史経緯に鑑み、最大限、在留特別許可によって救済する方法によるべきです。
 貴職らは、3回目となる2014年12月のチャーター機送還において、難民申請者を強制送還するという暴挙に出ました。送還前日に難民不認定異議棄却通知をおこない、6ヶ月以内なら難民不認定取消訴訟を提起できることを教示しおきながら、弁護士への連絡も許さずに貴職らは送還を強行しました。教示とは裏腹に、本国に送還された者たちは難民とは認められないため、難民不認定取消訴訟を提起することができず、今年8月2日には、被送還者が名古屋地方裁判所に国家賠償請求訴訟を提起しました。本年9月22日の送還でも、難民申請者が半数以上いると思われます。難民申請者の強制送還の是非について、司法の場で争われている今日、司法判断を待つこともなく繰り返された今回の送還に、私たちはよりいっそう強く、抗議するところです。
以 上

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申 入 書
2016年10月6日
法務大臣 殿
法務省入国管理局局長 殿
仮放免者の会
 当会支援者であるN[原文では実名表記のところ、ここではイニシャル表記とした。以下同様]の被収容者との面会が大阪入国管理局にて許可されない状況が続いている。最後に許可された面会は、7月8日のもので、この面会中のNの言動が、以後、大阪入国管理局が不許可処分を継続させている直接的な理由となっているものと考えられる。ところが、この日の面会中のNの言動において、以後の面会を継続的に不許可にするのに正当な保安上の理由があるとは思えない。
 資料として添付した当該面会についての「被収容者面会簿」[注:個人情報開示請求によって開示された大阪入管保有の文書]の「備考」欄には、Nが「局長は本当に命を軽く考えている」旨、発言したと記録されている。しかし、この発言は大阪入国管理局の被収容者に対する処遇をNが論評したものにすぎず、面会を許可しない正当な理由たりうるとはとうてい考えられない。
  当該面会において、被収容者が立会の職員を非難する発言をおこない、中止しなかったことから、当該面会を中止するとした職員の判断については、保安上の観点から理解することもできる。しかし、このことが、以後3か月にわたって、他の被収容者とのものもふくめNによる面会申出を継続して不許可にする正当な理由とは考えられない。
 以上のように、収容場の保安上の観点からみて、Nの面会が許可されない正当な理由として考えられるものがなく、Nが局長に対する批判的な論評をおこなってきたことに対する報復・意趣返しとして面会を許可しないのではないかと考えるよりほかない。
 面会が許可されなくなって以後も、大阪入国管理局の複数の被収容者からの面会要請・支援要請の連絡はたえない。正当な理由なく、被収容者が支援を得る機会を奪っているという点で、一連のNに対する大阪入国管理局の面会不許可処分は問題である。大阪入国管理局がNによる面会申出を許可するよう申し入れる。
以 上

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Sunday, October 2, 2016

9.22チャーター機送還への抗議、医療処遇の改善要求(東京入管被収容者より)


  東京入国管理局の被収容者21名が、入管あてに連名で意見書を提出しました。以下に、その全文を掲載します。


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入国管理局の医療等について
まずは九月中旬に八階Cブロックで生活を送って居た○○○さん[原文では実名が記されていますが、ふせます]の事からお伝え致します。彼は元々自病を持って居り、Cブロックに来てから三度発作を起こしましたが現在はGブロックの独居に移されて生活して居ます。この部屋にはカメラが付いて居るのですが24時間管理されているか判らず、Cブロックで生活中も私達が大声で担当を呼ばなければ中々対処もされず現在彼がどの様な生活を送っているのかさえも分からずCブロックの皆は心配して居ります。もし担当不在の時に発作を起こした時の事を考えると今迄通りCブロックで生活を送る事が一番の安全と思います。
又、ここでの医療には時間がかかり申し込んでっから1~2ヶ月はかかります。そして自分の番が廻って来たとしても分野違いの医師と話をするだけで、的はずれな薬を出され、何週間もその薬を飲まされ唯々我慢するしかありません。
腕や足のシビレに痛み止めを出されそれが合わない時には薬を強くするだけです。
外部にある病院に行けるのはごく一部だけの者で殆んどの者は合いもしない薬を飲まされて我慢しなくてはなりません。

TV、新聞等でも御存知とは思いますが、9月23日早朝スリランカに向け各入国管理局から強制退去が始まりました。
そのやり方は非人道的であり「面接がある」と騙し半強制的に退去されました。日本に来て27年以上も暮し日本人の妻や子供がいる者も例外ではありませんでした。
自国での生活では命の保証もなく、やっとの思いで着いた日本でだまされ自国に戻され、戻してしまえば事後確認もなく唯日本から追い出す為だけの理由でオーバーステイ等理由をつけ第3国への送還等と納得させ本国へ退去。
これが文明社会と呼ばれ、国連理事国に入ろうとする国のやることなのか。先々を考えると不安ばかりが残ります。

[以下、被収容者21名の署名――省略]


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  以上のとおり、意見書の要点は2つあります。1つは、9月22日に入管がスリランカ人30名をチャーター機で強制送還したことへの抗議です(注1)。送還前日に、東京入管は被送還者を居室から無理やり連れ出し、あるいは「インタビューがある」などとだまして連れ出し、そのまま羽田空港まで連行してスリランカへと送還しました。意見書は、同じ東京入管の収容場から仲間たちが送還されたことへの抗議する内容です。

  もう1点の要点は、東京入管の医療処遇の問題です。申請から診療にいたるまで時間がかかりすぎること、また、病状・症状にあった専門医による診療が受けられないことが指摘されています。さらに、意見書は、重病人をひとり部屋から複数人の雑居する居室にもどせと要求しています。入管はこの重病の被収容者の病状を見守るためにカメラ付きのひとり部屋に移したのだと思われます。しかし、被収容者側からすれば、入管がこのひとの病状をきちんと監視して必要に応じて病院に搬送する等の適切な対応をとるかどうか、まったく信用ができないので、この人を自分たち仲間の目の届くところにいさせろと要求しているわけです。

  東京入管が、被収容者の人命・健康を大事にした処遇を日ごろからおこなっていれば、このような要求が被収容者から出てくるわけがないのです。入管にまかせておいたのでは、病状が急変して倒れても、放置されてしまうのではないか。そのような心配を被収容者にいだかせていることを、東京入管は深刻に考えるべきです。

  実際、2014年11月に東京入管は、胸の痛みをうったえるスリランカ人被収容者ニクラスさんをひとり部屋に移したのち、死亡させるという事件を起こしています(注2)。このとき、ニクラスさんがぐったりして動かなくなったのを発見したのは、入管職員ではありませんでした。心配してニクラスさんのひとり部屋をおとずれた被収容者でした。

  事件から2年近くがたちますが、被収容者に「入管職員は被収容者の人命についてまじめに考えてなどいないのだから、自分たちがきちんと監視していなければ自分や仲間の命をまもれない」と思わせるような収容の実態をいまだ改善できていないということです。

  なお、おなじ東京入管Cブロックの被収容者は、7月、8月にもあいついで連名での要求書を提出しており、このブログでも紹介させてもらいました。こちらもあわせてお読みください。






《注》

注1
  スリランカ人30名の送還については、以下記事参照。




注2
  東京入管でのニクラスさん死亡事件については、以下記事を参照。



Friday, September 30, 2016

【抗議声明】スリランカへのチャーター機送還について

2016年9月30日

  9月22日(木)、法務省はスリランカ人30人をチャーター機で強制送還しました。

  法務省が2013年7月に初めておこなったチャーター機を使った強制送還は、今回で5回目になります。

    2013年7月6日  フィリピン人75名を送還
    2013年12月8日  タイ人46名を送還
    2014年12月18日  スリランカ人26名とベトナム人6名を送還
    2015年11月25日  バングラデシュ人22名を送還
    2016年9月22日  スリランカ人30名を送還


  私たちは、無理やりの送還そのものに反対していますが、とりわけチャーター機による集団送還には強く反対し、抗議してきました(注1)。集団送還は、その実施そのもの、あるいは送還対象の人数集めということが目的化して、被送還者ひとりひとりの事情はますますかえりみられなくなることを、私たちはこれまでも指摘してきました。2013年のタイへの集団送還では、学齢期(小学生)の子ども2人が送還されました。2014年に送還されたスリランカ人のなかには、送還によってフィリピン人永住者である妻と子と引き裂かれたひとがいます。法務省にとっては、航空機を一機わざわざチャーターするわけですから、それなりに費用にみあった人数をいわば「かき集め」なければ、かっこうがつかないわけです。



1.難民申請者の裁判を受ける権利の侵害

  今回の送還がおこなわれた翌日の23日(金)に、法務省は記者へのレクチャーというかたちで発表をおこないました。これによると、法務省がスリランカに送還したのは、男性27人、女性3人の計30人、年齢は24才から58才だということです。

  また、法務省は、送還された30人のうち、訴訟中、難民申請中の人はいないと発表したそうです。しかし、この法務省の説明は、ウソとは言えないものの、重大なごまかしをふくんだものと言えます。

  2014年、15年、そして今回の集団送還において、難民不認定処分に対する異議申し立てを棄却されて即座に送還された人がいます。たしかに、このようにして送還された人たちは、送還直前に異議申立の棄却を通知され、難民不認定処分が決定しているわけですから、送還される時点では、法務省の説明どおり「訴訟中、難民申請中」ではない、ということになります。しかし、行政処分を受けた者が処分を不服としてその取消をもとめて裁判所にうったえるのは、当然の権利です。入管も、難民申請者に対して難民不認定や異議申立棄却の通知をおこなうときには、不服がある場合は6ヵ月以内に訴訟をおこなうことができるむね、教示しています。

  送還する直前に異議申立棄却を通知するという、法務省がチャーター機送還においておこなってきた手口は、行政訴訟を封じるものであって、難民申請者の裁判を受ける権利を侵害するものです(注2)。法務省は、今回送還されたなかに「訴訟中、難民申請中の人はいない」と発表しています。しかし、訴訟の機会をうばう形で送還したのはほかならぬ法務省なのであって、その法務省自身が「訴訟中の人はいなかった」などとぬけぬけと言ってのけているのは、あきれるよりほかありません。2014年以降、こうした手続き上きわめて問題の大きい強引な手口で送還がなされてきたのは、法務省・入管当局にとって、チャーター機送還での被送還者の人数確保が課題となっていることのあらわれであろうと考えられます。

  2014年に送還されたスリランカ人3名らは、同様の形で送還されたことにより裁判を受ける権利を侵害されたなどとして、日本弁護士連合会に人権救済申し立てをおこなっています。




  さらに、同じチャーター便で送還されたべつのスリランカ人は、8月2日、名古屋地裁に国家賠償請求訴訟を提起したばかりです。




  チャーター機を飛ばす予定日の直前に難民不認定についての異議申し立て棄却を通知するという、この手法がまさに法廷において問われようとしているそのときに、その問題の手法で送還する、ということを、法務省はおこなったわけです。



2.「大義」なきチャーター機送還、送還のための送還

  さて、2014年12月の集団送還以来、法務省はこうした強引な手法をつかってまで被送還者数をかき集めてチャーター機を飛ばしてきたわけですが、ここまでする意義はいったいどこにあるのでしょうか。

  この送還によって、たとえば治安の向上などという効果があるのでしょうか。そんな効果などまったくありません。たとえ一部のひとに利益になるのだとしても、その「利益」が別のだれかの人権を侵害することでえられるものならば、これを容認することはできません。ところが、チャーター機送還は、これによってだれひとりとして幸福にはならないし、だれの生活も向上しないという点で、まったくのムダなのです。

  法務省は、今回30人を送還するのに3700万円の経費をかけたとしています。迫害のおそれをうったえ庇護を求めていた人を追い返し、あるいはその生活を破壊し、日本にいる家族や友人と無理やり引きはがすのに、ひとりあたり約123万円かけたのです。税金の使い方として最悪です。だれのためにもならず、なんの役にも立たないことに大金をつっこんだだけならばまだしも、ただただ人々に損害をあたえる結果をもたらしたわけです。いっそこの3700万円はドブにでも捨てたほうがマシでした。

  さらに、法務省は、来年度の概算要求書において、「送還忌避者の専属輸送による送還経費」として今年度と同額の9300万円あまりを計上しています。




  この「送還忌避者」の増大が法務省・入管当局にとって大きな問題となっていること、そして、その増大は日本政府の労働政策・入国管理政策がまねいた、いわば自業自得というべき帰結にほかならないことは、昨年の抗議声明などでくわしく述べてきたとおりです。




  チャーター機による送還、法務省の言うところの「送還忌避者の専属輸送」には、大義などないのです。このための予算を獲得し、ただ予算を消化するために、法務省はなりふりかまわず被送還者をかき集めている、というのが実態です。送還を実施することそのものが目的化しているのです。

  法務省の発表によると、今回スリランカに送還された人のうち、日本に在留した期間がもっとも長かったのは、27年9ヶ月だったということです。これほど長期に滞在したのであれば、日本社会への定着性も高かっただろうし、反対に、スリランカにもはや生活基盤などないでしょう。在留資格を認めさえしていれば、この人を送還する必要などなかったのです。

  在留資格を認めるべきひとに認めていないこと。あるいは、難民として認定すべき人を送還対象にしてきたこと。また、表向きは受け入れないことになっている、いわゆる「単純労働」を担う外国人労働者を、脱法的に導入し、使い捨てにしてきた日本政府の労働政策、出入国管理政策。こういった政策の道理の欠如や矛盾が、「送還忌避者」の増大をもたらしているのです。

仮放免者の会




《注》

注1

  1. チャーター機による強制送還に反対する3月行動(3月6日、水曜日) - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年1月29日)
  2. 仮放免者問題と強制送還について――この10年の入管行政をふりかえって - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年3月4日)
  3. チャーター機での強制送還に反対する声明(東日本入管センター被収容者より) - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年5月2日)
  4. 【転載】同意なきチャーター便強制送還への非協力を求める要望書 - 仮放免者の会(PRAJ) - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年6月27日)
  5. 入管による一斉無理やり送還に抗議します - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年7月6日)
  6. 【抗議の呼びかけ】タイ人に対する一斉無理やり送還について - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年12月9日)
  7. チャーター機によるタイ人一斉送還に抗議する申入書 - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年12月25日)
  8. 【抗議声明】スリランカ・ベトナムへの集団送還について - 仮放免者の会(PRAJ)(2014年12月30日)
  9. ニクルスさん死亡事件、チャーター機送還、再収容、妊婦の収容などについて申入書(2月19日) - 仮放免者の会(PRAJ)(2015年3月8日)
  10. 【抗議声明】バングラデシュへのチャーター機送還について - 仮放免者の会(PRAJ)(2015年12月13日)



注2
難民審査についての棄却を通知してただちに送還するという手口の問題については、上記注1の8のでくわしく述べているので、あわせて参照してください。

Friday, September 9, 2016

【裁判傍聴の呼びかけ】大阪入管診療拒否事件――9月16日に第1回期日(大阪地裁)


  すでにこのブログでもお伝えしましたとおり、また、いくつかマスメディアでも報じられましたが、大阪入国管理局に収容されているイラン人男性(「Aさん」とします)が、6月29日に国家賠償請求訴訟を提起しました。


  この裁判は、Aさんが右半身のしびれなど脳梗塞を疑われる症状をうったえて職員にくりかえし診療を求めたものの、大阪入管は8か月以上にわたり(提訴日時点)これを拒否しつづけてきたことから、精神的苦痛に対する国家賠償と医師の診察の義務付けを国に求めたものです。

  この裁判の第1回期日が以下のとおり開かれます。


日時:9月16日(金)  13:10~
場所:大阪地方裁判所806号法廷(→Google map


  この日は、今回の訴訟の趣旨について原告側弁護士による意見陳述などがあります。

  Aさんは過去に脳梗塞の発作を起こしたことがあるといい、現在も、右半身のしびれ、ろれつが回らない、激しい頭痛などの症状にしばしば悩まされています。2月末からは、左耳の難聴、耳鳴りもうったえています。このような症状をうったえている人の診療を拒否し続ける大阪入管の人権意識の欠如はおそるべきものです。さらに、Aさんに対して「片方の耳が聞こえなくても生活できる」といった暴言をはいた職員もいるといいます。

  この裁判は、侵害されているAさん本人の基本的人権の回復という点での重要性はもとより、大阪入国管理局の組織としての人権侵害体質を問うという点でも重要です。大阪入管に収容されていて、病苦をうったえながら必要な診療を拒否されている人はAさんのほかにもいます。

  Aさんの裁判への注目をお願いします。また、都合のつく方には、ぜひ裁判の傍聴に足を運んでいただくよう、呼びかけます。


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関連リンク




大阪地裁での裁判の傍聴については、裁判所のウェブサイト( http://www.courts.go.jp/ )の以下のページをごらんください。